救い
私たちの罪(過ち)が私たちを神様から引き離します。それは私たちが死んだ時、神様と共に天国にいることができないことを意味します。しかし、イエスは私たちの受けるべき罪の報いを自らの身に背負い、十字架の上で死にました。私たちがイエスを信じる時、私たちは救われて永遠の命を得ることができるのです。
信仰
神様を信頼し、神様に自信を持つこと。私たちの見ることができない状況を信じること。
恵み
私たちは神様から罰せられるべき存在であるにもかかわらず、神様は私たちを愛し、赦しと癒しを与えてくれる。
罪
神様、または、他の人や自分自身に対しての間違った考え、言動と行動。
悔い改め
自分自身で決めた道を歩むことから神様の道を歩むことへ改め、私たちの思考と態度を正しい方へ変えること。
義
神様と正しく良い関係を持つこと。
祈り
神様との会話。
『天のお父さん、あなたの名が、いつも聖なるものであるように。(10)あなたの王国キングダムよ、ここに来て!天で行われるように、あなたの思いをこの地で起こして!(11)今日の必要を満たして!(12)他の人を赦したように、私たちの過ちを赦して!(13)誘惑から守り、悪から救って!』
水の洗礼
公の場で水の中に完全に浸かり、イエスを信じることによって自分の内側に起こった変化とクリスチャンになったことを現す。
教会
人々が集まり、互いに励まし合い、一緒に神様を賛美すること。
三位一体
三つの人格(父、子、聖霊)が一致している状態。神は唯一の神のみ。
復活
イエスは死後、三日目によみがえった。
イースター(復活祭)
通常は3月か4月に行われる。イースターではイエスの死と復活を思い出し、私たちのために神様がしてくれたことを祝う。
(1)話を終えたイエスは、自分の弟子だけに向かって口を開いた。(2)「明後日は過越だ。その日、人の子は十字架で殺されるために敵の手に渡る」(3)一方その頃・・・「うまく殺す手立てはないのですか?」大祭司カヤパの家では祭司長たちや長老たちが集まり、(4)人に見られることなくイエスを逮捕し、殺す方法はないものかと話し合う会議が行われていた。(5)彼らは言った。「ちっ、祭りの最中にイエスを捕まえることはできません。民衆の怒りを買い、暴動が起きるでしょうからね」(6)イエスはベタニヤの村に住む、重い皮膚病患者シモンの家を訪れていた。(7)そこに一人の女が入ってきた。その手には石膏で出来た壺があった。その壺には、純粋なナルド油で作られた非常に高価な香油が入っていた。すると、女は食事をするイエスの頭に香油を注いだ。(8)女の大胆な行動に弟子たちはカンカン。彼らは言った。「もったいない!(9)売れば、貧しい人たちを助けることもできたというのに!」(10)しかし、イエスが言った。「やめろッ!俺のためによくしてくれたっていうのになぜ彼女を責める?(11)貧しい人たちはいつも身近にいる。彼らを助けることはいつだってできるが、俺はいつまでも一緒にいるわけじゃない・・・(12)彼女は俺のために最善をつくし、俺の埋葬に備えて体に香油を注いでくれたんだ。(13)約束する、最高な知らせが世界中に広まるとともに、彼女がした事が世界に知れ渡る!彼女の行為は永遠に忘れられない!」(14)その後、12弟子の1人であるイスカリオテ人のユダは、なぜか1人で祭司長たちのもとへと向かっていく・・・(15)彼は言った。「イエスをあなた達の手に引き渡しましょう!ただそれに対する報酬は・・・?いくらだ?」銀貨30枚をユダに手渡した祭司たち。(16)それからのユダはイエスと共にいながらも、脳裏ではイエスを引き渡すチャンスをうかがっていた。(17)さて、酵母菌なしパン祭りの初日、【種なしパン:酵母を入れないパン】イエスの弟子たちがイエスを尋ねに来た。「過越しの食事を用意したいんですが、食事はどちらで調達しましょう?」(18)イエスは答えた。「町へ行って、俺の知人のもとを訪れろ。そしたら、『神が俺のために定めた時は近い。弟子と一緒にあなたのところで過越しの食事をとる』と伝えるんだ」(19)イエスに言われた通り行動した弟子たちは、過越しの食事の準備をした。(20)夕方になり、イエスは12弟子と楽しく過越しの食事をしていた。(21)彼らが食事をしていると、イエスが言った。「今、食事を共にしているうちの1人が、俺を敵の手に引き渡す!」(22)「なッ!」イエスの言葉を聞いて、弟子たちに衝撃が走った。そして弟子がみな口を揃えてこう言った。「先生、絶対に俺じゃないよ!」(23)イエスは答えた。「俺と同じ器にパンをひたしている者・・・俺を裏切るのは、その男だ・・・(24)人の子は聖書にあるとおりこの世を去る。しかし、人の子を裏切って敵の手に渡し、死に追いやられるほど無残な者はいない!彼はいっそのこと生まれてこない方がましだった」(25)「先生!もちろん、私ではないですよね?」ユダが尋ねた。イエスが答えた。「いや、お前だ!」(26)それから、食事を続けるイエスはパンを取ると、神に感謝を捧げてからパンを裂き、弟子たちに配った。「このパンは俺の体、さぁ、取って食べるんだ」(27)次に、ワインの入った1つの杯を取り、神に感謝を捧げると、同じように弟子たちにその杯を渡した。「みんな、この杯から飲んで、次へと回すんだ・・・(28)このワインは、多くの人の過ちを赦し、神と人が新しい契約を結ぶために流される俺の血だ。(29)神の王国で新しくなったワインを飲むその日まで、俺がワインを口にすることはない」(30)それから、神を讃えて声を大にして歌い、オリーブ山へと向かった。(31)イエスは弟子たちに言った。「今夜、お前たちが俺に抱く信頼は崩れる。聖書にこうある。『わたしが羊飼いを殺す。そして、羊は走って逃げる』(32)だが、俺が殺された後、俺は死から復活し、ガリラヤ地方へ行く。そこでお前たちを待つ!」(33)ペテロが答えた。「たとえ、他の誰があなたを見捨てようとも、俺が持つあなたへの信頼は絶対だ!」(34)イエスが答えた。「真実はこうだ。今夜お前は俺を知らないと言う。雄鶏が鳴く前に三度、お前は俺を拒絶する」(35)すると、ペテロは言った。「俺がイエスを拒絶する?とんでもない!!俺はイエスの為なら死ぬ覚悟だってできてんだッ!」他の弟子も続けざまに同じようなことを言ったのだった。(36)イエスと弟子たちがゲツセマネと呼ばれる場所に行くと、「祈ってくるから、ここに座っていてくれ」 (37)イエスは弟子たちにそう告げたが、ペテロとゼベダイの2人の息子には一緒に来いと言った。・・・イエスは思い悩み、悲しみ始めた。(38)「悲痛のあまり、心が張り裂けそうだ。眠らずに、ここで待っていてくれ・・・」イエスはペテロとゼベダイの息子2人にそう告げた。(39)その後、イエスは少しだけ離れて、その場にひれ伏して祈り始めた。「お父さん・・・俺がこの苦しみの杯を飲まなくても、すむようにしてほしい・・・だけど・・・俺の思いじゃなく、お父さんの思いのままにしてくれ」(40)そしてイエスが、弟子たちのもとへ戻ると、「zzZ・・・」弟子たちは寝ているではないか。イエスはペテロを見て言った。「おい、お前たちは1時間たりとも共に起きていられないのか!(41)目を覚まして、誘惑に陥らない力を祈り求めるんだ。霊は正しくありたくても、体は弱いのだから」(42)イエスはもう一度その場を離れ、祈りのために向かっていった。「お父さん!この苦しみの杯が俺に与えられ、逃げ道もないのなら、どうかあなたの思い通りになるように」(43)イエスが弟子たちのもとに戻ってくると、またも睡魔に負けた3人が寝ているではないか。(44)イエスは彼らをそのままにし、またその場を離れて同じことを祈った。(45)さぁ、3度目の正直。イエスが戻ってくると3人は寝息を立てている。イエスは諦め、ため息をついた。「まだ寝てるのか・・・人の子が闇の手に落ちる時が来た。(46)立て!時は満ちた。裏切り者のご登場だ」(47)イエスが話し終わらないうちに12弟子の1人イスカリオテ人のユダが、剣やこん棒を持った武装集団をしたがえてイエスに近づいてきた。彼らは祭司長や掟の学者、また長老たちに派遣されたグループだった。(48)「いいか、俺が口づけの挨拶をする人を捕まえるんだ」イエスを裏切った弟子は、あらかじめ武装集団にイエスを見分けるためのサインを伝えていた。(49)「あ、先生!」ユダは笑顔でイエスに近づくと、口づけの挨拶をしながら、心の中で不気味な笑みを浮かべていた。(50)イエスが答えた。「友よ、目的を果たすがいい」イエスが答えると、武装集団はイエスを捕えて押さえつけた。(51)その時!・・・スパっ・・・イエスの弟子の一人が剣を引き抜き、勢いよく振りかざした。ぼとッ・・・地面に落ちたのは大祭司の遣いの者の耳だ。(52)イエスが弟子に言った。「剣をしまえ!剣を抜く者は剣で死ぬ! (53)俺がお父さんに求めれば、何万という天使の軍を送ってくれることぐらいわかるだろう!(54)しかし、それでは聖書にあることが全うされない。つまり、起こるべきして起きているということだ」(55)続けてイエスはこう言った。「なぜ犯罪者を捕まえるかのように、剣やこん棒を持ってきた?わたしは逃げも隠れもせず、毎日、神殿で教えていたじゃないか。なぜそのときに捕まえない?(56)まあいい、聖書で預言者が記したことがすべて全うされるために起きたまでだ」その後、イエスの弟子はみなイエスを置き去りにして走って逃げていったのだ。(57)イエスを捕まえた武装集団は、イエスを大祭司カヤパの家に連行した。そこには掟の学者、長老たちなどが集まっていた。(58)そのころペテロはというと、距離を保ちながら、イエスの後をつけていた。そして大祭司の庭に入り、これから起こることをその目で見るために看守たちの中にこっそりと紛れ込んでいた。(59)祭司長や最高審議会の議員たちはイエスの汚点をさっさと見つけて、死刑にする気満々だった。イエスは過ちを犯していた!とウソでもいい、そんな証言をする者を探しまわった・・・(60)しかし、ウソの証言を並べる者はたくさんいるものの、根拠が全くなく、最高審議会はイエスを死刑に処すだけの理由を見つけられずにいた。そんな中2人の者が現れ、(61)こう証言した。「この人は一度、神殿を壊し、それを3日で建て直すと言っておりました!」(62)すると、大祭司が立ち上がりイエスに言った。「彼らがあなたにとって不利な証言をしていますが。これらの訴えに対し、何か反論はございますか?それとも彼らの言っていることは真ですか?」(63)「・・・・・・」イエスは黙ったまま、一向に口を開かない。大祭司はまたイエスに言った。「生ける神に誓って真実を述べなさい。あなたは神の子、選ばれし王なのですか?」(64)イエスは答えた。「そう呼びたければどうぞ。ですが言っておきましょう。あなた方はいずれ、人の子が全能である神の右の座に腰をすえている姿を見る。そして、天の雲に乗ってやって来るのを目の当たりにします」(65)「んなッ、なんでずどォォォーー!」ビリビリビリィィィーー!大祭司は怒り狂って、自分の服を引き裂いた!「え゛ーーぃ!もう十分だ。これ以上の証言はいらん!みなさんも聞きましたね。今まさにこの耳で、この人が神を侮辱するのを!(66)これを聞いたみなさんの考えを述べなさい」ユダヤ指導者たちは答えた。「間違いなく有罪!死刑です!」(67)ペッ、ペッ!そのうちの何人かがイエスの顔に向かってツバを吐きかけた。ビシッ、ボコッ、ゴキ!さらには拳で殴る者もいれば、平手でたたく者もいた。(68)そこでこう言った。「預言者なら当ててごらん!いま殴ったのは誰だ?!ははは!」(69)そのころ、ペテロは大祭司の庭に座っていた。そこへ召使いの少女がやって来ると、ペテロを見て言った。「あなた!あなたは、あのガリラヤ地方から来たイエスと一緒にいた人でしょ?」(70)「お前は何を言ってるんだ?俺は知らん」ペテロはそこにいるみんなに対してこう言って否定した。(71)今度は中庭を出たところで別の女がペテロを見つけ、そこにいる人たちに言った。「ねぇ!この人、ナザレ村のイエスと一緒にいた人だ」(72)「か、神に誓って、俺はそんな男は知らない!」ペテロは再び否定し、イエスと一緒にいたことはないと言った。(73)その直後のこと・・・周りに立っていた者がペテロのもとに詰め寄ってくる・・・「間違いない!しゃべり方からしてあの男と一緒にいた男だ!」(74)それからペテロは叫んだ。「ふざけるな!神に誓って、俺はあんな男なんか知らない!もし俺が嘘をついてるって言うんだったら、神が俺に罰を食らわせたらいい!」ペテロがそう断言するとすぐ、・・・コッケコッコォォォ~・・・雄鶏が鳴いた。(75)すると、イエスに言われたことを思い出したペテロは、「雄鶏が鳴く前に俺を三度、イエスを知らないと言う・・・」「う、ゔわぁぁぁ〰〰〰〰〰〰!」と口にし、彼は外へ飛び出して、泣き崩れた・・・
27章
(1)夜明け頃のことだった。祭司長たちや長老たちが一堂に会い、イエスの処刑について決議をとっていた。(2)「閣下、騒動を起こしているイエスを連れてまいりました!」縄でつないだイエスを連れてきた祭司たちは、イエスをピラト総督の手に渡した。(3)一方で、イエスを裏切ったユダはというと、イエスが死刑判決を言いわたされたことを知り、自分の犯したことの重大さに気づいてひどく後悔していた。イエスを裏切ったことで得た報酬、銀貨30枚を返すために祭司長や長老たちのいる場所へと向かった。(4)ユダは言った。「俺は無実の人を死に追いやってしまった・・・」彼らは答えた。「そんな事、私たちの知ったことですか・・・私たちには関係ない。それはあなたの問題ですよ」(5)「こんなお金!」チャリンッチャリリリリンッ・・・神殿の中へ銀貨を投げ捨ててそこを飛び出したユダ。そのまま首をつって自殺してしまったのだ。(6)神殿に散乱した銀貨を集める祭司長たち。「困った困った。人を殺めるために使われたお金を、神殿の資産に戻すのは我々の律法に反しますねぇ・・・」(7)そこで、彼らはそのお金を「陶芸家の地」と呼ばれる土地を買うための資金にまわした。その土地は、エルサレム訪問中に帰らぬ人となった者を埋葬するために使われた。(8)そういうわけで、今もその場所は血の土地アケルダマと呼ばれている。(9)これは全て預言者エレミヤの神のお告げどおりである・・・「30枚の銀貨。それがイスラエルの国民が彼の人生へ支払うと決めた代価。(10)その金は、王である神が命じたとおり、『陶芸家の地』を買うために使われる」(11)「ふむ、お主はユダヤ人の王なのか?」目の前に立つイエスに問いかけるのはピラト総督。イエスは答えた。「そうとも言える」(12)しかし、祭司長や長老、ユダヤ指導者がする告発に対しては、断固として口を開かなかった。(13)ピラト総督はイエスに言った。「これだけ多くの者が訴えておるというのに、お主は黙っておるのか?」(14)弁解どころか、気にもしてない様子になおさら驚いたピラト総督であった。(15)ちょうどこの時、牢屋には、札付きの悪党が収監されていた。その名も・・・囚人バラバ。(17)ピラト総督は集まった群衆に尋ねた。「よし、今年もお前たちの望む者を1人解放するとしよう!バラバか?それとも救い主と呼ばれるイエスか?」(18)このように問いかけたのも、ピラト総督は、イエスが訴えられているのは祭司たちの嫉妬心のみが原因だと知っていたからだ。(19)裁判の真っ最中、ピラトの妻から伝言が届いた。「あの方に何もしないで・・・何も悪いことなどしていません。昨夜、あの方の夢を見ました・・・今もその胸騒ぎがおさまりません」(20)バラバと言いなさい。いいですか、バラバですよ!!!祭司長や長老たちは周りの群衆に、イエスではなく、バラバを解放するよう叫びなさいと根回しをしていた。(21)ピラト総督が言った。「さぁ、バラバか?イエスか?どちらを釈放したい?」人々は答えた。「バラバだ!」「おぉバラバを解放しろ!」バラバ、バラバ、バラバ!(22)ピラト総督は尋ねた。「な・・・なら、お前らはこの救い主と呼ばれるイエスをどうしてほしいというのだ?」すると、全ての人が言った。「十字架で殺せぇ〰〰〰〰!」じゅ〰じ〰か!じゅ〰じ〰か!!じゅ〰じ〰か!群衆は最も重い刑、十字架での処刑を求めてきた。(23)ピラト総督が言った。「なにィ・・・?なぜだ?こやつが一体何をしたと言うのだ?」だが、彼らはもっと大きな声で叫んだ。「十字架で殺せ〰〰〰!」(24)もはや、なす術なし。その様子から悟ったピラト。大暴動が起きてもおかしくないという状況に、水瓶をだし、みんなの前で手を洗った。彼が言った。「俺は、この人を殺すという罪には一切関与しない!全ての責任はお前たちにある!」(25)人々は答えた。「そう言われなくても彼の死の責任は全て私たちが取りますよ!私たちと私たちの子供たちのせいにして構いません!」(26)バラバを釈放すると、ピラトは兵士に命じた。「イエスをムチで打て!」そして、十字架刑にかけるために、兵士たちにイエスを手渡したのだった。(27)「来い!」ピラトの兵士たちが総督邸にイエスを連れて行くと、そこにいた兵士がイエスを取り囲んだ。(28)イエスの服をはぐと、ローマ兵の着ていた紫色のガウンをイエスに着せ、王に見立てた。(29)そして、いばらで編んだ冠を頭にかぶせ、その手には葦の棒を持たせた。彼らは言った。「おーこれは、これは!ユダヤ人の王様ではございませんか!コラッ!お前たち!ユダヤ人の王に敬礼せんか!ブ・・・ブワッハッハッハァー!」イエスをバカにする兵士たち。(30)さらにつばを吐きかけると、その手の棒を奪い取り、それでイエスの頭を殴った。(31)散々侮辱したあげく、着せたマントをイエスからはぎ取ると、もともと着ていた服を着せて、十字架にかけるために連行して行った。(32)町を出て処刑場にイエスを連行していた兵士たちだが、前に進むのに苦労していた。なんせ、ボロボロのイエスに重たい十字架を背負わせていたからだ。「おい、そこのお前、コイツの十字架を一緒に背負え!ほらッ」たまたまそこにいたクレネ人・シモンもイエスの後ろからその十字架を背負わされるはめになった。(33)イエスらはゴルゴダと呼ばれる地へと連行された。(ゴルゴダとは「頭がい骨の地」という意味)(34)「これを飲め!」兵士が、痛みを和らげるために苦い薬を混ぜ合わせたぶどう酒をイエスの口もとに出したが、イエスは少し口をつけただけで、飲むことを拒んだ。(35)ーーカンッ、カンッ、カンッ、べチャッ・・・十字架に釘で打付けられたイエス。その傍らには・・・「おーし、サイコロで決めるぞ!行くぞー。そーらよっ!き、きたー!もーらいっと!」イエスの着ていた服を切り分け、誰がどの部分をもらうのか、兵士たちがサイコロを振っていた。(36)そのまま見張りとしてそこに残った兵士たち。(37)トン、トン、トンッ。イエスが架けられた十字架の上の部分には罪状を記した板が掲げられた ——「ユダヤ人の王・イエス」——(38)一緒に2人の犯罪者も十字架に釘づけにされ、1人はイエスの右側、もう1人は左側といった具合にイエスの両側に付けられていた。(39)そこを通りかかる人も、罵声を浴びせ、大きな身振りで(40)言った。「神殿を壊して3日で建て直すんですって?神殿の心配をする暇があったら、ご自身を助けてみたらどうだ?神の子なんでしょう?」(41)そこにいた祭司長たちをはじめとする、掟の学者たち、長老たちも同じようにイエスをあざ笑った。(42)「ヤツは他人を救いはしたが、自分は救えやしない!みっともないったらありゃしない!もし仮にですよ。この方がイスラエルの王ならば、今ここで十字架から降りて来ればよいではないですか。そうすれば、この我々でさえヤツを信じてあげますよ!(43)神を信頼し、自分がその息子だと言うのだから、本当に神が救うのかどうか、神に委ねればいい」(44)すると、イエスのわきの十字架にかかっていた犯罪者たちも同じようにイエスを侮辱した。(45)ブオオオオオ・・・・・・正午になると、国中が暗闇に包まれた!それが3時間続き・・・ (46)3時頃、イエスは残りわずかな力をふりしぼって叫んだ。「エロイ(わが神)!エロイ(わが神)!サバクタニ(どうしてわたしを見捨てたのか)〰〰!」(47)「お、おい・・・こいつ今、エリヤを呼んだぞ!」(48)1人の男が慌てて走り出したかと思うと、スポンジを手に取り、水を混ぜた酸味あるワインを吸わせて棒に結びつけた。そして、十字架の上のイエスへその棒を伸ばし、飲ませようとした。(49)だが他の人が言った。「放っておけ、預言者エリヤが現れ、助けるかどうか見てみようじゃないか!」(50)「ぐ、う゛あ゛〰〰〰〰〰〰」イエスは叫んだ!かと思うとそのままぐったりしてしまった!息を引き取ったのだ。(51)バ、バリバリバリィーー!と同時に神の存在と人を分け隔てていた神殿の幕が上から下まで勢いよく真っ二つに裂け、大地震が起き、岩という岩が砕けた。(52)さらには墓が開き、生前に神を心底愛していた人たちが死からよみがえった。(53)彼らはイエスの復活後、聖なる都(エルサレム)にいるたくさんの人の前に姿を現した。(54)「この方は、まことに神の子だった・・・・・・!」百人隊長やイエスを見張っていた兵士たちは、一連の出来事に縮みあがった。(55)ガリラヤ地方からイエスを気にして後を追ってきた女たちも、少し十字架から距離を置いたところからだったが、一連の出来事を見ていた。(56)マグダラのマリア、ヤコブとヨセフの母マリア、そしてヤコブとヨハネの母がそこにいた。(57)その夜のこと、アリマタヤ出身のヨセフが神殿の都エルサレムを訪れていた。彼は裕福でイエスを信じる者であり、アリマタヤからイエスを追って来ていた。(58)ピラト総督のもとへイエスの遺体を引き取りに願い出ると、総督は許可を出した。(59)ヨセフは遺体を抱きかかえ、亜麻布に包んだ。(60)その遺体をヨセフ自らが岩壁に掘った新しい墓室に埋葬し、巨大な石を転がして入り口を閉じると、その墓を去っていった。(61)マグダラのマリア、そして別のマリアもその墓室の近くに座っていた。(62)その日は休日に備える日。つまり、休日前日だった。翌日、祭司長やパリサイ派はピラト総督のもとへ行った。(63)「閣下!あの大嘘つきが生きていた時、『私は3日目に復活する』と言っていたのを思い出しました!(64)そこで、墓へ3日間の見張りをつけてみてはどうかと思いまして。奴の仲間が遺体を盗み出して、遺体が無いからイエスが蘇ったのだ!などとウソをつくこともあの連中ならやりかねません!そんな日には、あの大嘘つきについて言われたウソよりもタチの悪いウソが広まります!」(65)ピラト総督が言った。「では兵を連れて、墓室へ行きなさい。最善だと考える方法をとって構わん」(66)そこで彼らは墓へ行くと、石に封印をし、入り口をふさいで、兵士たちを墓の周りに配置し、誰からも盗まれないように守らせた。
28章
(1)日が沈み、休日が終わった週初めの日。イエスの墓を見に行く、マグダラのマリアともう1人のマリアがいた。(2)すると突然、グォォォォォォォ!大地震が起きると同時に、空から王である神の天使が降りてきた。墓室の入り口にある巨大な石をゴロゴロと転がし、入り口を開けた天使は、そのまま巨大な石の上に腰かけた。(3)まるでカミナリのようにまばゆい天使の服は雪のようにまっ白だった!(4)ヒぃーー!墓の門番は天使に驚き、恐ろしさのあまり固まったまま気を失った。(5)すると、天使は女たちに声をかけた。「恐がらなくていいよ!十字架に架けられたイエスを探してるんでしょ?(6)でも、彼ならもうここにはいない!言っていた通り、死から復活したからね!疑うなら自分の目で確かめてみな!ほらここ!遺体はここにあったはず・・・(7)いい?今からイエスの弟子たちのところへ行って。イエスは死から復活し、以前から言っていたとおり、ガリラヤ地方でみんなに会うのを待っているから!だから、弟子たちにそこでイエスと会うように伝えるんだ!」(8)恐れを抱える反面、溢れる喜びを抑えきれずにいた女たちは、すぐに墓から出ると、イエスの弟子たちのもとへと急いだ。(9)すると突然!「やあ!」イエスが女たちの前に現れた。イエスの前にひれ伏し、足に抱きつきながら、イエスを讃える女たち。(10)「安心しろ!さぁ、俺の兄弟たちのところへ行って、ガリラヤ地方へ行くように伝えてくれ。そこで会おう!」イエスは女たちに言った。(11)女たちが、イエスの弟子のいる場所を目指している一方で・・・墓を見張る数名の兵士が都へ帰り、祭司長に事の全てを打ち明けた。(12)すると、祭司とそこにいた長老、ユダヤ指導者が策を講じはじめたのだ。「さあ、これで・・・」それは賄賂だった。彼らは、墓を見張る兵士に沢山のお金を手渡しこう言った。(13)「いいか!人々にはこう伝えろ・・・実際に起きたことは、夜、お前たちが寝ている間にイエスの弟子たちがやって来て、遺体を盗んだ。以上・・・!(14)もしこのことが総督の耳に入ったら・・・大丈夫!私たちのほうで話をつけておく。お前たちを問題には巻き込まないと約束する」(15)もらった金を懐へしまった見張りの兵士は、祭司の言う通りに従った。この話は今日に至るまでユダヤ人たちの間で語り継がれ、ウソが信じられている。(16)11人の弟子たちはイエスに言われた通りガリラヤ地方へ向かった。(17)山の頂にイエスを見つけると、弟子たちは彼を讃えた。しかし、中にはまだ疑っている者もいた。(18)そして、弟子たちの元へ来たイエスは言った。「俺の手に天地すべての権威がゆだねられた!(19)だから、行け!全世界の人たちを俺の弟子とし、父と子と聖霊の名によって洗礼を授けろ。(20)そして、お前たちに命じたいっさいのことに従うように彼らに教えろ!忘れるな、俺は世の終わりまでお前たちと共にいるのだ!」
クリスマス
12月25日にイエス・キリストの誕生を祝い、神様が私たちと同じ人として地上に来たことを祝う。
「♪~心よ、讃えよ
心の底から王である神を
(47)神のおかげで幸せ者に
救い主のおかげで最高に♫~
(48)♪~たかが、召使いの私を
彼が私をいたわる
たかが、召使いの私を
世は私を未来永劫に知ることとなる
たかが、召使いの私を
神の祝福で、世界一の幸せ者とする♫~
(49)♪~たかが、召使いの私に
絶大なあなたから、素晴らしいことが
たかが、召使いの私を・・・
彼の名は、聖い♫~
(50)♪~あなたへ賛美を送る者に
あなたは情けを注いでくれる♫~
(51)♪~手を伸ばし、その剛腕で
思い上がった者たちを蹴散らした♫~
(52)♪~支配者たちは
王座から引きずり降ろされ
昇進させたのは謙遜である者たち♫~
(53)♪~飢えた者を良いもので満たし、
肥えた者を手ぶらで追い払う♫~
(54)♪~選ばれたしもべ、イスラエルを救い
(55)アブラハムと子孫に注ぐ永遠の情けを忘れない
全てが約束どおり♫~」
(56)マリアはエリサベツのところに約3ヵ月間滞在すると、それから家へ帰っていった。(57)エリサベツが出産をする時が来た。オギャー、オギャー、オギャー・・・彼女には男の子が産まれた。(58)親戚や近所の人たちは、王である神がエリサベツにどれほど良くしてくれているかを耳にし、彼らは彼女と一緒に喜んだ。(59)生後8日目になった時、彼らはその子に割礼を施こした。その子の父親の名がザカリヤだったため、彼らはその子にもザカリヤという名前を付けたかった。(60)しかし、その子の母親が言った。「いいえ、この子の名前はヨハネですわ!」(61)人々はエリサベツに言った。「だが、あんたらの親戚にそんな名前を持った人はいないぞ!」(62)すると、彼らはその子の父親にジェスチャーを使って聞いた。「じゃ、ザカリヤはどんな名前にしたいんだ?」(63)祭司ザカリヤは手振りで書くものを求めたので、手渡すと・・・カリカリカリ・・・「この子の名前はヨハネ」だと書いた。みんなは驚いた。(64)・・・ぷはぁー!その時、ザカリヤの口は開き再び話せるようになった。そこで、彼は神を讃え始めた。(65)近所の人々を怖れさせたこの日の出来事は大きな話題となり、ユダヤ地方の山地にまで広まっていった。(66)起きたことを聞いた誰もがそのことについてこう思った・・・「この子はいったいどんな人になるんだろう・・・?」彼らは王である神がこの子と共にいることが分かった。(67)ブオンッ、すると父親であるザカリヤが聖霊に満たされ、神からのメッセージを語り始めた。
(68)「わしらの王を褒め讃えよ。
神はやって来てわしらを救い、自由にした。
(69)召使いであるダビデの子孫から、
最も力強い救い主を与えてくれた。
(70)聖なる者として区別された数々の預言者の言葉を通し、
古(いにしえ)より伝えられた約束のとおり、
(71)わしらの敵、わしらを憎む者から
救い主がわしらを救い出してくれる!
(72)神はわしらの先祖に情けをかけ、
結んでくれた聖なる約束を守ってくれるのじゃ!
(73)これは神がわしらの父アブラハムに立てられた誓いじゃ!
(74)敵の支配下から自由にされるのじゃ!
恐れなく天の王に仕えるため!
(75)神様の前にて聖く、正しく、命尽きるまで!
(76)むすこ~!お前はいと高き神様の預言者と呼ばれる!
お前が王である神の先を行き、救い主の道を整える!
(77)お前は彼の国民イスラエルを悟らせる・・・過ちが赦され、救われることを!
(78)神からの愛と恵みによって、
夜は明け、天がわしらを照らすのじゃ!
(79)その光は、暗闇の中、死を持つだけの人々を照らし、
わしらを幸せいっぱいの人生へと導くのじゃ!」
(80)そして、小さな男の子ヨハネは成長し、霊の中で強くなった。公の場でイスラエルの人々に神のことばを伝えるまでは、彼は荒野に住んでいた。
14「♪~天の神を讃えよ
地上で彼を喜ばせる人たちに平安があるように♫~」
15天使たちは羊飼いから離れて天に戻っていった。羊飼いたちはお互いに言った。「行こう!見に行こうぜ!ベツレヘムだよな!王である神が俺たちに最高な出来事を伝えてくれたんだ!」(16)そこで彼らは走って行き、マリアとヨセフが泊まる牧舎を見つけた。すると、餌箱の上には横になっている赤ん坊がいた。(17)羊飼いたちは赤ん坊を見て、天使がこの子について何を話されたのかをみんなに聞かせた。(18)彼らが言ったことを聞いた全ての者は驚いた。(19)マリアはこれらのことに思いを巡らし、一生懸命に理解しようとしていた。(20)羊飼いたちは羊のもとに戻ると、神を讃えながら全ての聞いたこと、見たことを神に感謝した。それは全て天使が彼らに伝えた通りのことだった。(21)生後8日経つと、その子は割礼を受け、イエスと名付けられた。この名前は、マリアが妊娠する前から天使によって命名された名前だった。(22)夫婦であるマリアとヨセフは、神を賛美するにあたって、妻・マリアが十分に清いとされる時が来るまで、礼拝することを待たなければならなかった。これはモーセの掟にあるように、出産後に子を産んだ女性に求められていることだった。【掟では出産40日後に神殿で賛美することが許されている】この期間が経過した後、彼らはイエスをエルサレムに連れてきて、神の前に差し出した。(23)これは王である神の掟に書かれている。「母親の最初の赤ちゃんが男の子の場合、その子は天の王のものである」 (24)また、神の掟には、人々は犠牲を払わなければならないとある。それは、「2匹のハトを犠牲にしなければならない」ということで、ヨセフとマリアはそれを行うために、エルサレム入りしたのだ。(25)神に献身的で善良な人であるシメオンという男性がエルサレムに住んでいた。彼は神がイスラエルを助けに来る、その時を待っていたのだ。聖霊が彼の元に来ると、(26)彼にこう伝えた。「神からの救い主を見る前にお前は死ぬことはない」(27)こうしてその日、神の霊はシメオンを神殿に導いた。マリアとヨセフが掟で言われていることを行うために赤ちゃんのイエスを連れてきた時、シメオンはその場にいた。(28)そして、シメオンは赤ちゃんを抱きしめて、神に感謝した!
(29)「王である神、あなたは約束を守ってくださった!
これであなたのしもべは、安心して死ねます。
(30)あなたがどのように神の国民を救うのか、
この目で私は見ることがでました!
(31)これであなたの計画を誰でも見ることができる!
(32)彼は全ての国々をあなたへ導く光、
彼はイスラエルの人々に敬意をもたらす!」
(33)イエスの父親と母親はシメオンが言ったことを聞いて驚かされた。(34)それからシメオンは彼らを祝福し、マリアに言った。「多くのユダヤ人が倒れ、多くがこの男の子のために立ち上がる。彼は、ある者たちには受け入れない神からのしるしサインとなる。(35)こうして、多くの人の秘密の思いが明らかにされる。彼に起こることはあなたにとって苦しく痛いことだろう。まるで、剣があなたの心を突き刺すようなものだ」(36)その時、アンナという預言者も神殿にいた。彼女はアセル族のパヌエルの家系からの出身だった。彼女はとても歳をとっていた。彼女は若いときに結婚したが、夫とは7年しか一緒に住んでいなかった。(37)夫が亡くなる直前の7年間を一緒に過ごしたのだ。現在、アンナは84歳だが、彼女は神殿を離れることは決してなかった。昼も夜もそこにいて、断食と祈りによって神を讃えていた。(38)ヨセフとマリアが神殿に来た時、アンナはそこにいた。アンナは神を讃え、神がエルサレムを解放してくれることを待ち望む全ての人に、イエスのことについて語った。(39)さて、神の掟どおりに手続きや儀式を終え、3人はガリラヤ地方のナザレ村に帰っていった。(40)小さな男の子のイエスは成長し、力強くなり、知恵に満たされていた。神が彼を祝福していたのだ。
クリスチャン
イエス・キリストに従う者。
伝道
イエスの福音を人々に伝え、イエスが私たちのためにしてくれた素晴らしいことを知らせること。