1ヶ月目
1日目
(1) 神の子イエス・キリストの福音のはじめ。
(2) 預言者イザヤの書にこう書いてある。「見よ。わたしは使いをあなたの前に遣わし、あなたの道を整えさせよう。
(3) 荒野で叫ぶ者の声がする。『主の道を用意し、主の通られる道をまっすぐにせよ。』」そのとおりに、
(4) バプテスマのヨハネが荒野に現れて、罪の赦しのための悔い改めのバプテスマを宣べ伝えた。
(5) そこでユダヤ全国の人々とエルサレムの全住民が彼のところへ行き、自分の罪を告白して、ヨルダン川で彼からバプテスマを受けていた。
(6) ヨハネは、らくだの毛で織った物を着て、腰に皮の帯を締め、いなごと野蜜を食べていた。
(7) 彼は宣べ伝えて言った。「私よりもさらに力のある方が、あとからおいでになります。私には、かがんでその方のくつのひもを解く値うちもありません。
(8) 私はあなたがたに水でバプテスマを授けましたが、その方は、あなたがたに聖霊のバプテスマをお授けになります。」
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2日目
(9) そのころ、イエスはガリラヤのナザレから来られ、ヨルダン川で、ヨハネからバプテスマをお受けになった。
(10) そして、水の中から上がられると、すぐそのとき、天が裂けて御霊が鳩のように自分の上に下られるのを、ご覧になった。
(11) そして天から声がした。「あなたは、わたしの愛する子、わたしはあなたを喜ぶ。」
(12) そしてすぐ、御霊はイエスを荒野に追いやられた。
(13) イエスは四十日間荒野にいて、サタンの誘惑を受けられた。野の獣とともにおられたが、御使いたちがイエスに仕えていた
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3日目
(14) ヨハネが捕らえられて後、イエスはガリラヤに行き、神の福音を宣べて言われた。
(15) 「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい。」
(16) ガリラヤ湖のほとりを通られると、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのをご覧になった。彼らは漁師であった。
(17) イエスは彼らに言われた。「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。」
(18) すると、すぐに、彼らは網を捨て置いて従った。
(19) また少し行かれると、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネをご覧になった。彼らも舟の中で網を繕っていた。
(20) すぐに、イエスがお呼びになった。すると彼らは父ゼベダイを雇い人たちといっしょに舟に残して、イエスについて行った。
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4日目
(21) それから、一行はカペナウムに入った。そしてすぐに、イエスは安息日に会堂に入って教えられた。
(22) 人々は、その教えに驚いた。それはイエスが、律法学者たちのようではなく、権威ある者のように教えられたからである。
(23) すると、すぐにまた、その会堂に汚れた霊につかれた人がいて、叫んで言った。
(24) 「ナザレ人イエス。いったい私たちに何をしようというのです。あなたは私たちを滅ぼしにきたのでしょう。私はあなたがどなたか知っています。神の聖者です。」
(25) イエスは彼をしかって、「黙れ。この人から出て行け」と言われた。
(26) すると、その汚れた霊はその人をひきつけさせ、大声をあげて、その人から出て行った。
(27) 人々はみな驚いて、互いに論じ合って言った。「これはどうだ。権威のある、新しい教えではないか。汚れた霊をさえ戒められる。すると従うのだ。」
(28) こうして、イエスの評判は、すぐに、ガリラヤ全地の至るところに広まった。
(29) イエスは会堂を出るとすぐに、ヤコブとヨハネを連れて、シモンとアンデレの家に入られた。
(30) ところが、シモンのしゅうとめが熱病で床に着いていたので、人々はさっそく彼女のことをイエスに知らせた。
(31) イエスは、彼女に近寄り、その手を取って起こされた。すると熱がひき、彼女は彼らをもてなした。
(32) 夕方になった。日が沈むと、人々は病人や悪霊につかれた人をみな、イエスのもとに連れて来た。
(33) こうして町中の者が戸口に集まって来た。
(34) イエスは、さまざまの病気にかかっている多くの人をいやし、また多くの悪霊を追い出された。そして悪霊どもがものを言うのをお許しにならなかった。彼らがイエスをよく知っていたからである。
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5日目
(35) さて、イエスは朝早くまだ暗いうちに起きて、寂しい所へ出て行き、そこで祈っておられた。
(36) シモンとその仲間は、イエスを追って来て、
(37) 彼を見つけ、「みんながあなたを捜しております」と言った。
(38) イエスは彼らに言われた。「さあ、近くの別の村里へ行こう。そこにも福音を知らせよう。わたしは、そのために出て来たのだから。」
(39) こうしてイエスは、ガリラヤ全地にわたり、その会堂に行って、福音を告げ知らせ、悪霊を追い出された。
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6日目
(40) さて、ツァラアトに冒された人がみもとにお願いに来て、ひざまずいて言った。「お心一つで、私をきよくしていただけます。」
(41) イエスは深くあわれみ、手を伸ばして、彼にさわって言われた。「わたしの心だ。きよくなれ。」
(42) すると、すぐに、そのツァラアトが消えて、その人はきよくなった。
(43) そこでイエスは、彼をきびしく戒めて、すぐに彼を立ち去らせた。
(44) そのとき彼にこう言われた。「気をつけて、だれにも何も言わないようにしなさい。ただ行って、自分を祭司に見せなさい。そして、人々へのあかしのために、モーセが命じた物をもって、あなたのきよめの供え物をしなさい。」
(45) ところが、彼は出て行って、この出来事をふれ回り、言い広め始めた。そのためイエスは表立って町の中に入ることができず、町のはずれの寂しい所におられた。しかし、人々は、あらゆる所からイエスのもとにやって来た。
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7日目
(1) 数日たって、イエスがカペナウムにまた来られると、家におられることが知れ渡った。
(2) それで多くの人が集まったため、戸口のところまですきまもないほどになった。
(3) そのとき、ひとりの中風の人が四人の人にかつがれて、みもとに連れて来られた。
(4) 群集のためにイエスに近づくことができなかったので、その人々はイエスのおられるあたりの屋根をはがし、穴をあけて、中風の人を寝かせたままその床をつり降ろした。
(5) イエスは彼らの信仰を見て、中風の人に、「子よ。あなたの罪は赦されました」と言われた。
(6) ところが、その場に律法学者が数人すわっていて、心の中で理屈を言った。
(7) 「この人は、なぜ、あんなことを言うのか。神をけがしているのだ。神おひとりのほか、だれが罪を赦すことができよう。」
(8) 彼らが心の中でこのように理屈を言っているのを、イエスはすぐにご自分の霊で見抜いて、こう言われた。「なぜ、あなたがたは心の中でそんな理屈を言っているのか。
(9) 中風の人に、『あなたの罪は赦された』と言うのと、『起きて、寝床をたたんで歩け』と言うのと、どちらがやさしいか。
(10) 人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを、あなたがたに知らせるために。」こう言ってから、中風の人に、
(11) 「あなたに言う。起きなさい。寝床をたたんで、家に帰りなさい」と言われた。
(12) すると彼は起き上がり、すぐに床を取り上げて、みなの見ている前を出て行った。それでみなの者がすっかり驚いて、「こういうことは、かつて見たことがない」と言って神をあがめた。
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8日目
(13) イエスはまた湖のほとりに出て行かれた。すると群集がみな、みもとにやって来たので、彼らに教えられた。
(14) イエスは、道を通りながら、アルパヨの子レビが取税所にすわっているのをご覧になって、「わたしについて来なさい」と言われた。すると彼は立ち上がって従った。
(15) それから、イエスは、彼の家で食卓に着かれた。取税人や罪人たちも大ぜい、イエスや弟子たちといっしょに食卓に着いていた。こういう人たちが大ぜいいて、イエスに従っていたのである。
(16) パリサイ派の律法学者たちは、イエスが罪人や取税人たちといっしょに食事をしておられるのを見て、イエスの弟子たちにこう言った。「なぜ、あの人は取税人や罪人たちといっしょに食事をするのですか。」
(17) イエスはこれを聞いて、彼らにこう言われた。「医者を必要とするのは丈夫な者ではなく、病人です。わたしは正しい人を招くためではなく、罪人を招くために来たのです。」
(18) ヨハネの弟子たちとパリサイ人たちは断食をしていた。そして、イエスのもとに来て言った。「ヨハネの弟子たちやパリサイ人の弟子たちは断食するのに、あなたの弟子たちはなぜ断食しないのですか。」
(19) イエスは彼らに言われた。「花婿が自分たちといっしょにいる間、花婿につき添う友だちが断食できるでしょうか。花婿といっしょにいる時は、断食できないのです。
(20) しかし、花婿が彼らから取り去られる時が来ます。その日には断食します。
(21) だれも、真新しい布切れで古い着物の継ぎをするようなことはしません。そんなことをすれば、新しい継ぎ切れは古い着物を引き裂き、破れはもっとひどくなります。
(22) また、だれも新しいぶどう酒を古い皮袋に入れるようなことはしません。そんなことをすれば、ぶどう酒は皮袋を張り裂き、ぶどう酒も皮袋もだめになってしまいます。新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるのです。」
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9日目
(23) ある安息日のこと、イエスは麦畑の中を通って行かれた。すると、弟子たちが道々穂を摘み始めた。
(24) すると、パリサイ人たちがイエスに言った。「ご覧なさい。なぜ彼らは、安息日なのに、してはならないことをするのですか。」
(25) イエスは彼らに言われた。「ダビデとその連れの者たちが、食物がなくてひもじかったとき、ダビデが何をしたか、読まなかったのですか。
(26) アビヤタルが大祭司のころ、ダビデは神の家に入って、祭司以外の者が食べてはならない供えのパンを、自分も食べ、またともにいた者たちにも与えたではありませんか。」
(27) また言われた。「安息日は人間のために設けられたのです。人間が安息日のために造られたのではありません。
(28) 人の子は安息日の主です。」
マルコ 3
(1) イエスはまた会堂に入られた。そこに片手のなえた人がいた。
(2) 彼らは、イエスが安息日にその人を直すかどうかじっと見ていた。イエスを訴えるためであった。
(3) イエスは手のなえたその人に「立って真ん中に出なさい」と言われた。
(4) それから彼らに、「安息日にしてよいのは、善を行うことなのか、それとも悪を行うことなのか。いのちを救うことなのか、それとも殺すことなのか」と言われた。彼らは黙っていた。
(5) イエスは怒って彼らを見回し、その心のかたくななのを嘆きながら、その人に、「手を伸ばしなさい」と言われた。彼は手を伸ばした。するとその手が元どおりになった。
(6) そこでパリサイ人たちは出て行って、すぐにヘロデ党の者たちといっしょになって、イエスをどのようにして葬り去ろうかと相談を始めた。
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10日目
(7) それから、イエスは弟子たちとともに湖のほうに退かれた。すると、ガリラヤから出て来た大ぜいの人々がついて行った。
(8) エルサレから、イドマヤから、ヨルダンの川向こうやツロ、シドンのあたりから、大ぜいの人々が、イエスの行っておられることを聞いて、みもとにやって来た。
(9) イエスは、大ぜいの人なので、押し寄せて来ないよう、ご自分のために小舟を用意しておくように弟子たちに言いつけられた。
(10) それは、多くの人をいやされたので、病気に悩む人たちがみな、イエスにさわろうとして、みもとに押しかけて来たからである。
(11) また、汚れた霊どもが、イエスを見ると、みもとにひれ伏し、「あなたこそ神の子です」と叫ぶのであった。
(12) イエスは、ご自分のことを知らせないようにと、きびしく彼らを戒められた。
(13) さて、イエスは山に登り、ご自身のお望みになる者たちを呼び寄せられたので、彼らはみもとに来た。
(14) そこでイエスは十二弟子を任命された。それは、彼らを身近に置き、また彼らを遣わして福音を宣べさせ、
(15) 悪霊を追い出す権威を持たせるためであった。
(16) こうして、イエスは十二弟子を任命された。そして、シモンにはペテロという名をつけ、
(17) ゼベダイの子ヤコブとヤコブの兄弟ヨハネ、このふたりにはボアネルゲ、すなわち、雷の子という名をつけられた。
(18) 次に、アンデレ、ピリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、アルパヨの子ヤコブ、タダイ、熱心党員シモン、
(19) イスカリオテ・ユダ。このユダが、イエスを裏切ったのである。
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11日目
(20) イエスが家に戻られると、また大ぜいの人が集まって来たので、みな食事する暇もなかった。
(21) イエスの身内の者たちが聞いて、イエスを連れ戻しに出て来た。「気が狂ったのだ」と言う人たちがいたからである。
(22) また、エルサレムから下って来た律法学者たちも、「彼は、ベルゼブルに取りつかれている」と言い、「悪霊どものかしらによって、悪霊どもを追い出しているのだ」とも言った。
(23) そこえイエスは彼らをそばに呼んで、たとえによって話された。「サタンがどうしてサタンを追い出せましょう。
(24) もし国が内部で分裂したら、その国は立ち行きません。
(25) また、家が内輪もめをしたら、家は立ち行きません。
(26) サタンも、もし内輪の争いが起こって分裂していれば、立ち行くことができないで滅びます。
(27) 確かに、強い人の家に押し入って家財を略奪するには、まずその強い人を縛り上げなければなりません。そのあとでその家を略奪できるのです。
(28) まことに、あなたがたに告げます。人はその犯すどんな罪も赦していただけます。また、神をけがすことを言っても、それはみな赦していただけます。
(29) しかし、聖霊をけがす者はだれでも、永遠に赦されず、とこしえの罪に定められます。」
(30) このように言われたのは、彼らが、「イエスは、汚れた霊につかれている」と言っていたからである。
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12日目
(31) さて、イエスの母と兄弟たちが来て、外に立っていて、人をやり、イエスを呼ばせた。
(32) 大ぜいの人がイエスを囲んですわっていたが、「ご覧なさい。あなたのお母さんと兄弟たちが、外であなたをたずねています。」と言った。
(33) すると、イエスは彼らに答えて言われた。「わたしの母とはだれのことですか。また、兄弟たちとはだれのことですか。」
(34) そして、自分の回りにすわっている人たちを見回して言われた。「ご覧なさい。わたしの母、わたしの兄弟たちです。」
(35) 神のみこころを行う人はだれでも、わたしの兄弟、姉妹、また母なのです。」
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13日目
(1) イエスはまた湖のほとりで教え始められた。おびただしい数の群集がみもとに集まった。それでイエスは湖の上の舟に乗り、そこに腰をおろされ、群集はみな岸べの陸地にいた。
(2) イエスはたとえによって多くのことを教えられた。その教えの中でこう言われた。
(3) 「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出かけた。
(4) 蒔いているとき、種が道ばたに落ちた。すると、鳥が来て食べてしまった。
(5) また、別の種が土の薄い岩場に落ちた。土が深くなかったので、すぐに芽を出した。
(6) しかし日が上ると、焼けて、根がないために枯れてしまった。
(7) また、別の種がいばらの中に落ちた。ところが、いばらが伸びて、それをふさいでしまったので、実を結ばなかった。
(8) また、別の種が良い地に落ちた。すると芽ばえ、育って、実を結び、三十倍、六十倍、百倍になった。」
(9) そしてイエスは言われた。「聞く耳のある者は聞きなさい。」
(10) さて、イエスだけになったとき、いつもつき従っている人たちが、十二弟子とともに、これらのたとえのことを尋ねた。
(11) そこで、イエスは言われた。「あなたがたには、神の国の奥義が知らされているが、ほかの人たちには、すべてがたとえで言われるのです。
(12) それは、『彼らは確かに見るには見るがわからず、聞くには聞くが悟らず、悔い改めて赦されることのないため』です。」
(13) そして彼らにこう言われた。「このたとえがわからないのですか。そんなことで、いったいどうしてたとえの理解ができましょう。
(14) 種蒔く人は、みことばを蒔くのです。
(15) みことばが道ばたに蒔かれるとは、こういう人たちのことです—みことばを聞くと、すぐサタンが来て、彼らに蒔かれたみことばを持ち去ってしまうのです。
(16) 同じように、岩地に蒔かれるとは、こういう人たちのことです—みことばを聞くと、すぐに喜んで受けるが、
(17) 根を張らないで、ただしばらく続くだけです。それで、みことばのために困難や迫害が起こると、すぐにつまずいてしまいます。
(18) もう一つの、いばらの中に種を蒔かれるとは、こういう人たちのことです—みことばを聞いてはいるが、
(19) 世の心づかいや、富の惑わし、その他いろいろな欲望が入り込んで、みことばをふさぐので、実を結びません。
(20) 良い地に蒔かれるとは、みことばを聞いて受け入れ、三十倍、六十倍、百倍の実を結ぶ人たちです。」
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14日目
(21) また言われた。「あかりを持って来るのは、枡の下や寝台の下に置くためでしょうか。燭台の上に置くためではありませんか。
(22) 隠れているのは、必ず現れるためであり、おおい隠されているのは、明らかにされるためです。
(23) 聞く耳のある者は聞きなさい。」
(24) また彼らに言われた。「聞いていることによく注意しなさい。あなたがたは、人に量ってあげるその量りで、自分にも量り与えられ、さらにその上に増し加えられます。
(25) 持っている人は、さらに与えられ、持たない人は、持っているものまで取り上げられてしまいます。」
(26) また言われた。「神の国は、人が地に種を蒔くようなもので、
(27) 夜は寝て、朝は起き、そうこうしているうちに、種は芽を出して育ちます。そのようにしてか、人は知りません。
(28) 地は人手によらず実をならせるもので、初めに苗、次に穂、次に穂の中に実が入ります。
(29) 実が熟すると、人はすぐにかまを入れます。収穫の時が来たからです。」
(30) また言われた。「神の国は、どのようなものと言えばよいでしょう。何にたとえたらよいでしょう。
(31) それはからし種のようなものです。地に蒔かれるとには、地に蒔かれる種の中で、一番小さいのですが、
(32) それが蒔かれると、生長してどんな野菜よりも大きくなり、大きな枝を張り、その陰に空の鳥が巣を作れるほどになります。」
(33) イエスは、このように多くのたとえで、彼らの聞く力に応じて、みことばを話された。
(34) たとえによらないで話されることはなかった。ただ、ご自分の弟子たちにだけは、すべてのことを解き明かされた。
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15日目
(35) さて、その日のこと、夕方になって、イエスは弟子たちに、「さあ、向こう岸へ渡ろう」と言われた。
(36) そこで弟子たちは、群集をあとに残し、舟に乗っておられるままで、イエスをお連れした。他の舟もイエスについて行った。
(37) すると、激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水でいっぱいになった。
(38) ところがイエスだけは、とものほうで、枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして言った。「先生。私たちがおぼれて死にそうでも、何とも思わないのですか。」
(39) イエスは起き上がって、風をしかりつけ、湖に「黙れ、静まれ」と言われた。すると風はやみ、大なぎになった。
(40) イエスは彼らに言われた。「どうしてそんなにこわがるのです。信仰がないのは、どうしたことです。」
(41) 彼らは大きな恐怖に包まれて、互いに言った。「風や湖までが言うことをきくとは、いったいこの方はどういう方なのだろう。」
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16日目
(1) こうして彼らは湖の向こう岸、ゲラサ人の地に着いた。
(2) イエスが舟から上がられると、すぐに、汚れた霊につかれた人が墓場から出て来て、イエスを迎えた。
(3) この人は墓場に住みついており、もはやだれも、鎖をもってしても、彼をつないでおくことができなかった。
(4) 彼はたびたび足かせや鎖でつながれたが、鎖をひきちぎり、足かせも砕いてしまったからで、だれにも彼を押さえるだけの力がなかったのである。
(5) それで彼は、夜昼となく、墓場や山で叫び続け、石で自分のからあを傷つけていた。
(6) 彼はイエスを遠くから見つけ、駆け寄って来てイエスを拝し、
(7) 大声で叫んで言った。「いと高き神の子、イエスさま。いったい私に何をしようというのですか。神の御名によってお願いします。どうか私を苦しめないでください。」
(8) それは、イエスが、「汚れた霊よ。この人から出て行け」と言われたからである。
(9) それで、「おまえの名は何か」とお尋ねになると、「私の名はレギオンです。私たちは大ぜいですから」と言った。
(10) そして、自分たちをこの地方から追い出さないでくださいと懇願した。
(11) ところで、そこの山腹に、豚の大群が飼ってあった。
(12) 彼らはイエスに願って言った。「私たちを豚の中に送って、彼らに乗り移らせてください。」
(13) イエスがそれを許されたので、汚れた霊どもは出て行って、豚に乗り移った。すると、二千匹ほどの豚の群れが、険しいがけを駆け降り、湖へなだれ落ちて、湖におぼれてしまった。
(14) 豚を飼っていた者たちは逃げ出して、町や村々でこの事を告げ知らせた。人々は何事が起こったのかと見にやって来た。
(15) そして、イエスのところに来て、悪霊につかれていた人、すなわちレギオンを宿していた人が、着物を着て、正気に返ってすわっているのをみて、恐ろしくなった。
(16) 見ていた人たちが、悪霊につかれていた人に起こったことや、豚のことを、つぶさに彼らに話して聞かせた。
(17) すると、彼らはイエスに、この地方から離れてくださるよう願った。
(18) それでイエスが舟に乗ろうとされると、悪霊につかれていた人が、お供したいとイエスに願った。
(19) しかし、お許しにならないで、彼にこう言われた。「あなたの家、あなたの家族のところに帰り、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを、知らせなさい。」
(20) そこで、彼は立ち去り、イエスが自分にどんな大きなことをしてくださったかを、デカポリスの地方で言い広め始めた。人々はみな驚いた。
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17日目
(21) イエスが舟でまた向こう岸へ渡られると、大ぜいの人の群れがみもとに集まった。イエスは岸べにとどまっておられた。
(22) すると、会堂管理者のひとりでヤイロという者が来て、イエスを見て、その足にもとにひれ伏し、
(23) いっしょうけんめい願ってこう言った。「私の小さい娘が死にかけています。どうか、おいでくださって、娘の上に御手を置いてやってください。娘が直って、助かるようにしてください。」
(24) そこで、イエスは彼といっしょに出かけられたが、多くの群集がイエスについて来て、イエスに押し迫った。
(35) イエスが、まだ話しておられるときに、会堂管理者の家から人がやって来て言った。「あなたのお嬢さんはなくなりました。なぜ、このうえ先生を煩わすことがありましょう。」
(36) イエスは、その話のことばをそばで聞いて、会堂管理者に言われた。「恐れないで、ただ信じていなさい。」
(37) そして、ペテロとヤコブとヤコブの兄弟ヨハネのほかは、だれも自分といっしょに行くのをお許しにならなかった。
(38) 彼らはその会堂管理者の家に着いた。イエスは、人々が、取り乱し、大声で泣いたり、わめいたりしているのをご覧になり、
(39) 中に入って、彼らにこう言われた。「なぜ取り乱して、泣くのですか。子どもは死んだのではない。眠っているのです。」
(40) 人々はイエスをあざ笑った。しかし、イエスはみんなを外に出し、ただその子どもの父と母、それにご自分の供の者たちだけを伴って、子どものいる所へ入って行かれた。
(41) そして、その子どもの手を取って、「タリタ、クミ」と言われた。(訳して言えば、「少女よ。あなたに言う。起きなさい」という意味である。)
(42) すると、少女はすぐさま起き上がり、歩き始めた。十二歳にもなっていたからである。彼らはたちまち非常な驚きに包まれた。
(43) イエスは、このことをだれにもしらせないようにと、きびしくお命じになり、さらに、少女に食事をさせるように言われた。
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18日目
(25) ところで、十二年の間長血をわずらている女がいた。
(26) この女は多くの医者からひどいめに会わされて、自分の持ち物をみな使い果たしてしまったが、何のかいもなく、かえって悪くなる一方であった。
(27) 彼女は、イエスのことを耳にして、群集の中に紛れ込み、うしろから、イエスの着物にさわった。
(28) 「お着物にさわることでもできれば、きっと直る」と考えていたからである。
(29) すると、すぐに、血の源がかれて、ひどい痛みが直ったことを、からだに感じた。
(30) イエスも、すぐに、自分のうちから力が外に出て行ったことに気づいて、群集の中を振り向いて、「だれがわたしの着物にさわったのですか」と言われた。
(31) そこで弟子たちはイエスに言った。「群集があなたに押し迫っているのをご覧になっていて、それでも『だれがわたしにさわったのか』とおっしゃるのですか。
(32) イエスは、それをした人を知ろうとして、見回しておられた。
(33) 女は恐れおののき、自分の身に起こった事を知り、イエスの前に出てひれ伏し、イエスに真実を余すところなく打ち明けた。
(34) そこで、イエスは彼女にこう言われた。「娘よ。あなたの信仰があなたを直したのです。安心して帰りなさい。病気にかからず、すこやかでいなさい。」
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19日目
(1) イエスはそこを去って、郷里に行かれた。弟子たちもついて行った。
(2) 安息日になったとき、会堂で教え始められた。それを聞いた多くの人々は驚いて言った。「この人は、こういうことをどこから得たのでしょう。この人に与えられた知恵や、この人の手で行われるこのような力あるわざは、いったい何でしょう。
(3) この人は大工ではありませんか。マリヤの子で、ヤコブ、ヨセ、ユダ、シモンの兄弟ではありませんか。その妹たちも、私たちとここに住んでいるではありませんか。」こうして彼らはイエスにつまずいた。
(4) イエスは彼らに言われた。「預言者が尊敬されないのは、自分の郷里、親族、家族の間だけです。」
(5) それで、そこでは何一つ力あるわざを行うことができず、少数の病人に手を置いていやされただけであった。
(6) イエスは彼らの不信仰に驚かれた。それからイエスは、近くの村々を教えて回られた。
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20日目
(7) また、十二弟子を呼び、ふたりずつ遣わし始め、彼らに汚れた霊を追い出す権威をお与えになった。
(8) また、彼らにこう命じられた。「旅のためには、杖一本のほかには、何も持って行ってはいけません。パンも、袋も、胴巻に金も持って行ってはいけません。
(9) くつは、はきなさい。しかし二枚の下着を着てはいけません。」
(10) また、彼らに言われた。「どこででも一軒の家に入ったら、そこの土地から出て行くまでは、その家にとどまっていなさい。
(11) もし、あなたがたを受け入れない場所、また、あなたがたに聞こうとしない人々なら、そこから出て行くときに、そこの人々に対する証言として、足の裏のちりを払い落としなさい。」
(12) こうして十二人が出て行き、悔い改めを説き広め、
(13) 悪霊を多く追い出し、大ぜいの病人に油を塗っていやした。
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21日目
(14) イエスの名が知れ渡ったので、ヘロデ王の耳にも入った。人々は「バプテスマのヨハネが死人の中からよみがえったのだ。だから、あんな力が、彼のうちに働いているのだ」と言っていた。
(15) 別の人々は、「彼はエリヤだ」と言い、さらに別の人々は、「昔の預言者の中のひとりのような預言者だ」と言っていた。
(16) しかし、ヘロデはうわさを聞いて、「私が首をはねたあのヨハネが生き返ったのだ」と言っていた。
(17) 実は、このヘロデが、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで、—ヘロデはこの女を妻としていた—人をやってヨハネを捕らえ、牢につないだのであった。
(18) これは、ヨハネがヘロデに、「あなたが兄弟の妻を自分のものとしていることは不法です」と言い張ったからである。
(19) ところが、ヘロデヤはヨハネを恨み、彼を殺したいと思いながら、果たせないでいた。
(20) それはヘロデが、ヨハネを正しい聖なる人と知って、彼を恐れ、保護を加えていたからである。また、ヘロデはヨハネの教えを聞くとき、非常に当惑しながらも、喜んで耳を傾けていた。
(21) ところが、良い機会が訪れた。ヘロデがその誕生日に、重臣や、千人隊長や、ガリラヤのおもだった人などを招いて、祝宴を設けたとき、
(22) ヘロデヤの娘が入って来て、踊りを踊ったので、ヘロデも列席の人々も喜んだ。そこで王は、この少女に、「何でもほしい物を言いなさい。与えよう。」と言った。
(23) また、「おまえの望む物なら、私の国の半分でも、与えよう」と言って、誓った。
(24) そこで少女は出て行って、「何を願いましょうか」とその母親に言った。すると母親は、「バプテスマのヨハネの首」と言った。
(25) そこで少女はすぐに、大急ぎで王の前に行き、こう言って頼んだ。「今すぐに、バプテスマのヨハネの首を盆に載せていただきとうございます。」
(26) 王は非常に心を痛めたが、自分の誓いもあり、列席の人々の手前もあって、少女の願いを退けることを好まなかった。
(27) そこで王は、すぐに護衛兵をやって、ヨハネの首を持って来るように命令した。護衛兵は行って、牢の中でヨハネの首をはね、
(28) その首を盆に載せて持って来て、少女に渡した。少女は、それを母親に渡した。
(29) ヨハネの弟子たちは、このことを聞いたので、やって来て、遺体を引き取り、墓に納めたのであった。
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22日目
(30) さて、使徒たちは、イエスのもとに集まって来て、自分たちのしたこと、教えたことを残らずイエスに報告した。
(31) そこでイエスは彼らに、「さあ、あなたがただけで、寂しい所へ行って、しばらく休みなさい」と言われた。人々の出入りが多くて、ゆっくり食事する時間さえなかったからである。
(32) そこで彼らは、舟に乗って、自分たちだけで寂しい所へ行った。
(33) ところが、多くの人々が、彼らの出て行くのを見、それと気づいて、方々の町々からそこへ徒歩で駆けつけ、彼らよりも先に着いてしまった。
(34) イエスは、舟から上がられると、多くの群集をご覧になった。そして彼らが羊飼いのいない羊のようであるのを深くあわれみ、いろいろと教え始められた。
(35) そのうち、もう時刻もおそくなったので、弟子たちはイエスのところに来て言った。「ここはへんぴな所で、もう時刻もおそくなりました。
(36) みんなを解散させてください。そして、近くの部落や村に行って何か食べる物をめいめいで買うようにさせてください。」
(37) すると、彼らに答えて言われた。「あなたがたで、あの人たちに何か食べる物を上げなさい。」そこで弟子たちは言った。「私たちが出かけて行って、二百デナリもんおパンを買ってあの人たちに食べさせるように、ということでしょうか。」
(38) するとイエスは彼らに言われた。「パンはどれぐらいありますか。行って見て来なさい。」彼らは確かめて言った。「五つです。それと魚が二匹です。」
(39) イエスは、みなを、それぞれ組にして青草の上にすわらせるよう、弟子たちにお命じになった。
(40) そこで人々は、百人、五十人と固まって席に着いた。
(41) するとイエスは、五つのパンと二匹の魚を取り、天を見上げて祝福を求め、パンを裂き、人々に配るように弟子たちに与えられた。また、二匹の魚もみなに分けられた。
(42) 人々はみな、食べて満腹した。
(43) そして、パン切れを十二のかごにいっぱい取り集め、魚の残りも取り集めた。
(44) パンを食べたのは、男が五千人であった。
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23日目
(45) それからすぐに、イエスは弟子たちを強いて舟に乗り込ませ、先に向こう岸のベツサイダに行かせ、ご自分は、その間に群集を解散させておられた。
(46) それから、群集に別れ、祈るために、そこを去って山のほうに向かわれた。
(47) 夕方になったころ、舟は湖の真ん中に出ており、イエスだけが陸地におられた。
(48) イエスは、弟子たちが、向かい風のために漕ぎあぐねているのをご覧になり、夜中の三時ごろ、湖の上を歩いて、彼らに近づいて行かれたが、そのままそばを通り過ぎようとのおつもりであった。
(49) しかし、弟子たちは、イエスが湖の上を歩いておられるのを見て、幽霊だと思い、叫び声をあげた。
(50) というのは、みなイエスを見ておびえてしまったからである。しかし、イエスはすぐに彼らに話しかけ、「しっかりしなさい。わたしだ。恐れることはない」と言われた。
(51) そして舟に乗り込まれると、風がやんだ。彼らの心中の驚きは非常なものであった。
(52) というのは、彼らはまだパンのことから悟るところがなく、その心は堅く閉じていたからである。
(53) 彼らは湖を渡って、ゲネサレの地に着き、舟をつないだ。
(54) そして、彼らが舟から上がると、人々はすぐにイエスだと気がついて、
(55) そのあたりをくまなく走り回り、イエスがおられると聞いた場所へ、病人を床に載せて運んで来た。
(56) イエスが入っていかれると、村でも町でも部落でも、人々は病人たちを広場に寝かせ、そして、せめて、イエスの着物の端にでもさわらせてくださるようにと願った。そして、さわった人々はみな、いやされた。
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24日目
(1) さて、パリサイ人たちと幾人かの律法学者がエルサレムから来ていて、イエスの回りに集まった。
(2) イエスの弟子のうちに、汚れた手で、すなわち洗わない手でパンを食べている者があるのを見て、
(3) -パリサイ人をはじめユダヤ人はみな、昔の人たちの言い伝えを堅く守って、手をよく洗わないでは食事をせず、
(4) また、市場から帰ったときには、からだをきよめてからでないと食事をしない。まだこのほかにも、杯、水差し、銅器を洗うことなど、堅く守るように伝えられた、しきたりがたくさんある—
(5) パリサイ人と律法学者たちは、イエスに尋ねた。「なぜ、あなたの弟子たちは、昔の人たちの言い伝えに従って歩まないで、汚れた手でパンを食べるのですか。」
(6) イエスは彼らに言われた。「イザヤはあなたがた偽善者について預言をして、こう書いてあるが、まさにそのとおりです。『この民は、口先ではわたしを敬うが、その心は、わたしから遠く離れている。
(7) 彼らが、わたしを拝んでも、むだなことである。人間の教えを、教えとして教えるだけだから。』
(8) あなたがたは、神の戒めを捨てて、人間の言い伝えを堅く守っている。」
(9) また言われた。「あなたがたは、自分たちの言い伝えを守るために、よくも神の戒めをないがしろにしたものです。
(10) モーセは、『あなたの父と母を敬え』、また『父や母をののしる者は死刑に処せられる』と言っています。
(11) それなのに、あなたがたは、もし人が父や母に向かって、私からあなたのために上げられる物は、コルバン(すなわち、ささげ物)になりました、と言えば、
(12) その人には、父や母のために、もはや何もさせないようにしています。
(13) こうしてあなたがたは、自分たちが受け継いだ言い伝えによって、神のことばを空文にしています。そして、これと同じようなことを、たくさんしているのです。」
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25日目
(14) イエスは再び群集を呼び寄せて言われた。「みな、わたしの言うことを聞いて、悟るようになりなさい。
(15) 外側から人に入って、人を汚すことのできる物は何もありません。人から出て来るものが、人を汚すものなのです。」
(16) *欄外 後代の写本に十六節として、「聞く耳のある者は聞きなさい」を加える
(17) イエスが群集を離れて、家に入られると、弟子たちは、このたとえについて尋ねた。
(18) イエスは言われた。「あなたがたまで、そんなにわからないのですか。外側から人に入って来る物は人を汚すことができない。ということがわからないのですか。
(19) そのような物は、人の心には、入らないで、腹に入り、そして、かわやに出されてしまうのです。」イエスは、このように、すべての食物をきよいとされた。
(20) また言われた。「人から出るもの、これが、人を汚すのです。
(21) 内側から、すなわち、人の心から出て来るものは、悪い考え、不品行、盗み、殺人、
(22) 姦淫、貪欲、よこしま、欺き、好色、ねたみ、そしり、高ぶり、愚かさであり、
(23) これらの悪はみな、内側から出て、人を汚すのです。
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26日目
(24) イエスは、そこを出てツロの地方へ行かれた。家に入られたとき、だれにも知られたくないと思われたが、隠れていることはできなかった。
(25) 汚れた霊につかれた小さい娘がいる女が、イエスのこと聞きつけてすぐにやって来て、その足もとにひれ伏した。
(26) この女はギリシヤ人で、スロ・フェニキヤの生まれであった。そして、自分の娘から悪霊を追い出してくださるようにイエスに願い続けた。
(27) するとイエスは言われた。「まず子どもたちに満腹させなければなりません。子どもたちのパンを取り上げて、小犬に投げてやるのはよくないことです。」
(28) しかし、女は答えて言った。「主よ。そのとおりです。でも、食卓の下の小犬でも、子どもたちのパンくずをいただきます。」
(29) そこでイエスは言われた。「そうまで言うのですか。それなら家にお帰りなさい。悪霊はあなたの娘から出て行きました。」
(30) 女が家に帰ってみると、その子は床の上に伏せっており、悪霊はもう出ていた。
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27日目
(31) それから、イエスはツロの地方を去り、シドンを通って、もう一度、デカポリス地方のあたりのガリラヤ湖に来られた。
(32) 人々は、耳が聞こえず、口のきけない人を連れて来て、彼の上に手を置いてくださるよう、願った。
(33) そこで、イエスは、その人だけを群集の中から連れ出し、その両耳に指を差し入れ、それからつばきをして、その人の舌にさわられた。
(34) そして、天を見上げ、深く嘆息して、その人に「エパタ」すなわち、「聞け」と言われた。
(35) すると彼の耳が開き、舌のもつれもすぐに解け、はっきりと話せるようになった。
(36) イエスは、このことをだれにも言ってはならない、と命じられたが、彼らは口止めされればされるほど、かえって言いふらした。
(37) 人々は非常に驚いて言った。「この方のなさったことは、みなすばらしい。耳の聞こえない者を聞こえるようにし、口のきけない者を話せるようにされた。」
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28日目
(1) そのころ、また大ぜいの人の群れが集まっていたが、食べる物がなかったので、イエスは弟子たちを呼んで言われた。
(2) 「かわいそうに、この群集はもう三日間もわたしといっしょにいて、食べる物を持っていないのです。
(3) 空腹のまま家に帰らせたら、途中で動けなくなるでしょう。それに遠くから来ている人もいます。」
(4) 弟子たちは答えた。「こんなへんぴな所で、どこからパンを手に入れて、この人たちに十分食べさせることができましょう。」
(5) すると、イエスは尋ねられた。「パンはどれぐらいありますか。」弟子たちは、「七つです」と答えた。
(6) すると、イエスは群集に、地面にすわるようにおっしゃった。それから、七つのパンを取り、感謝をささげてからそれを裂き、人々に配るように弟子たちに与えられたので、弟子たちは群集に配った。
(7) また、魚が少しばかりあったので、そのために感謝をささげてから、これも配るように言われた。
(8) 人々は食べて満腹した。そしてあまりのパン切れを七つのかごに取り集めた。
(9) 人々はおよそ四千人であった。それからイエスは、彼らを解散させられた。
(10) そしてすぐに弟子たちとともに舟に乗り、ダルマヌタ地方へ行かれた。
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29日目
(11) パリサイ人たちがやって来て、イエスに議論をしかけ、天からのしるしを求めた。イエスをためそうとしたのである。
(12) イエスは、心の中で深く嘆息して、こう言われた。「なぜ、今の時代はしるしを求めるのか。まことに、あなたがたに告げます。今の時代には、しるしは絶対に与えられません。」
(13) イエスは彼らを離れて、また舟に乗って向こう岸へ行かれた。
(14) 弟子たちは、パンを持って来るのを忘れ、舟の中にはパンがただ一つしかなかった。
(15) そのとき、イエスは彼らに命じて言われた。「パリサイ人のパン種とヘロデのパン種とに十分気をつけなさい。
(16) そこで弟子たちは、パンを持っていないということで、互いに議論し始めた。
(17) それに気づいてイエスは言われた。「なぜ、パンがないといって議論しているのですか。まだわからないのですか、悟らないのですか。心が堅く閉じているのですか。
(18) 目がありながら見えないのですか。耳がありながら聞こえないのですか。あなたがたは、覚えていないのですか。
(19) わたしが五千人に五つのパンを裂いて上げたとき、パン切れを取り集めて、幾つのかごがいっぱいになりましたか。」彼らは答えた。「十二です。」
(20) 「四千人に七つのパンを裂いて上げたときは、パン切れを取り集めて幾つのかごがいっぱいになりましたか。」彼らは答えた。「七つです。」
(21) イエスは言われた。「まだ悟らないのですか。」
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30日目
(22) 彼らはエツサイダに着いた。すると人々が盲人を連れて来て、彼にさわってくださるよう、イエスに願った。
(23) イエスは盲人の手を取って村の外に連れて行かれた。そしてその両目につばきをつけ、両手を彼に当てて、「何か見えるか」と聞かれた。
(24) すると彼は、見えるようになって、「人が見えます。木のようですが、歩いているのが見えます」と言った。
(25) それから、イエスはもう一度彼の両目に両手を当てられた。そして、彼が見つめていると、すっかり直り、すべてのものがはっきり見えるようになった。
(26) そこでイエスは、彼を家に帰し、「村に入って行かないように」と言われた。
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31日目
(27) それから、イエスは弟子たちとピリポ・カイザリヤの村々へ出かけられた。その途中、イエスは弟子たちに尋ねて言われた。「人々はわたしをだれだと言っていますか。」
(28) 彼らは答えて言った。「バプテスマのヨハネだと言っています。エリヤだと言う人も、また預言者のひとりだと言う人もいます。」
(29) するとイエスは、彼らに尋ねられた。「では、あなたがたは、わたしをだれだと言いますか。」ペテロが答えてイエスに言った。「あなたは、キリストです。」
(30) するとイエスは、自分のことをだれにもいわないようにと、彼らを戒められた。
(31) それから、人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちに捨てられ、殺され、三日の後によみがえらなければならないと、弟子たちに教え始められた。
(32) しかも、はっきりとこの事がらを話された。するとペテロは、イエスをわきにお連れして、いさめ始めた。
(33) しかし、イエスは振り向いて、弟子たちを見ながら、ペテロをしかって言われた。「下がれ。サタン。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている。」
(34) それから、イエスは群集を弟子たちといっしょに呼び寄せて、彼らに言われた。「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負い、そしてわたしについて来なさい。
(35) いのちを救おうと思う者はそれを失い、わたしと福音とのためにいのちを失う者はそれを救うのです。
(36) 人は、たとい全世界を得ても、いのちを損じたら、何の得がありましょう。
(37) 自分のいのちを買い戻すために、人はいったい何を差し出すことができるでしょう。
(38) このような姦淫と罪の時代にあって、わたしとわたしのことばを恥じるような者なら、人の子も、父の栄光を帯びて聖なる御使いたちとともに来るときには、そのような人のことを恥じます。」
二ヶ月目
1日目
(1) イエスは彼らに言われた。「まことに、あなたがたに告げます。ここに立っている人々の中には、神の国が力を持って到来しているのを見るまでは、決して死を味わわない者がいます。」
(2) それから六日たって、イエスは、ペテロとヤコブとヨハネだけを連れて、高い山に導いて行かれた。そして彼らの目の前で御姿が変わった。
(3) その御衣は、非常に白く光り、世のさらし屋では、とてもできないほどの白さであった。
(4) また、エリヤがモーセとともに現れ、彼らはイエスと語り合っていた。
(5) すると、ペテロが口出ししてイエスに言った。「先生。私たちがここにいることは、すばらしいことです。私たちが、幕屋を三つ造ります。あなたのために一つ、モーセのために一つ、エリヤのために一つ。」
(6) 実のところ、ペテロは言うべきことがわからなかったのである。彼らは恐怖に打たれたのであった。
(7) そのとき雲がわき起こってその人々をおおい、雲の中から、「これは、わたしの愛する子である。彼の言うことを聞きなさい。」と言う声がした。
(8) 彼らが急いであたりを見回すと、自分たちといっしょにいるのはイエスだけで、そこにはもはやだれも見えなかった。
(9) さて、山を降りながら、イエスは彼らに、人の子が死人の中からよみがえるときまでは、いま見たことをだれにも話してはならない、と特に命じられた。
(10) そこで彼らは、そのおことばを心に堅く留め、死人の中からよみがえると言われたことはどういう意味かを論じ合った。
(11) 彼らはイエスに尋ねて言った。「律法学者たちは、まずエリヤが来るはずだと言っていますが、それはなぜでしょうか。」
(12) イエスは言われた。「エリヤが来て、すべてのことを立て直します。では、人の子について、多くの苦しみを受け、さげすまれると書いてあるのは、どうしてなのですか。
(13) しかし、あなたがたに告げます。エリヤはもう来たのです。そして人々は、彼について書いてあるとおりに、好き勝手なことを彼にしたのです。
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2日目
(14) さて、彼らが、弟子たちのところに帰って来て、見ると、その回りに大ぜいの人の群れがおり、また、律法学者たちが弟子たちと論じ合っていた。
(15) そしてすぐ、群集はみな、イエスを見ると驚き、走り寄って来て、あいさつをした。
(16) イエスは彼らに、「あなたがたは弟子たちと何を議論しているのですか」と聞かれた。
(17) すると群集のひとりが、イエスに答えて言った。「先生。口をきけなくする霊につかれた私の息子を、先生のところに連れて来ました。
(18) その霊が息子にとりつくと、所かまわず彼を押し倒します。そして彼はあわを吹き、歯ぎしりして、からだをこわばらせます。それでお弟子たちに、霊を追い出すように願ったのですが、できませんでした。」
(19) イエスは答えて言われた。「ああ、不信仰な世だ。いつまであなたがたといっしょにいなければならないのでしょう。いつまであなたがたにがまんしていなければならないのでしょう。その子をわたしのところに連れて来なさい。」
(20) そこで、人々はイエスのところにその子を連れて来た。その子がイエスを見ると、霊はすぐに彼をひきつけさせたので、彼は地面に倒れ、あわを吹きながら、ころげ回った。
(21) イエスはその子の父親に尋ねられた。「この子がこんなになってから、どのくらいになりますか。」父親は言った。「幼い時からです。
(22) この霊は、彼を滅ぼそうとして、何度も火の中や水の中に投げ込みました。ただ、もし、おできになるものなら、私たちをあわれんで、お助けください。」
(23) するとイエスは言われた。「できるものなら、と言うのか。信じる者には、どんなことでもできるのです。」
(24) するとすぐに、その子の父は叫んで言った。「信じます。不信仰な私をお助けください。」
(25) イエスは、群集が駆けつけるのをご覧になると、汚れた霊をしかって言われた。「口をきけなくし、耳を聞こえなくする霊。わたしがおまえに命じる。この子から出て行け。二度とこの子に入るな。」
(26) するとその霊は、叫び声をあげ、その子を激しくひきつけさせて、出て行った。するとその子が死人のようになったので、多くの人々は、「この子は死んでしまった」と言った。
(27) しかし、イエスは、彼の手を取って起こされた。するとその子は立ち上がった。
(28) イエスが家に入られると、弟子たちがそっとイエスに尋ねた。「どうしてでしょう。私たちには追い出せなかったのですが。」
(29) すると、イエスは言われた。「この種のものは、祈りによらなければ、何によっても追い出せるものではありません。」
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3日目
(30) さて、一行はそこを去って、ガリラヤを通って行った。イエスは、人に知られたくないと思われた。
(31) それは、イエスは弟子たちを教えて、「人の子は人々の手に引き渡され、彼らはこれを殺す。しかし、殺されて、三日の後に、人の子はよみがえる」と話しておられたからである。
(32) しかし、弟子たちは、このみことばが理解できなかった。また、イエスに尋ねるのを恐れていた。
(33) カペナウムに着いた。イエスは、家に入った後、弟子たちに質問された。「道で何を論じ合っていたのですか。」
(34) 彼らは黙っていた。道々、だれが一番偉いかと論じ合っていたからである。
(35) イエスはおすわりになり、十二弟子を呼んで、言われた。「だれでも人の先に立ちたいと思うなら、みなのしんがりとなり、みなに仕える者となりなさい。」
(36) それから、イエスは、ひとりの子どもを連れて来て、彼らの真ん中に立たせ、腕に抱き寄せて、彼らに言われた。
(37) 「だれでも、このような幼子たちのひとりを、わたしの名のゆえに受け入れるならば、わたしを受け入れるのです。また、だれでも、わたしを受け入れるならば、わたしを受け入れるのではなく、わたしを遣わされた方を受け入れるのです。」
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4日目
(38) ヨハネがイエスに言った。「先生。先生の名を唱えて悪霊を追い出している者を見ましたが、私たちの仲間ではないので、やめさせました。」
(39) しかし、イエスは言われた。「やめさせることはありません。わたしの名を唱えて、力あるわざを行いながら、すぐあとで、わたしを悪く言える者はないのです。
(40) わたしたちに反対しない者は、わたしたちの味方です。
(41) あなたがたがキリストの弟子だからというので、あなたがたに水一杯でも飲ませてくれる人は、決して報いを失うことはありません。これは確かなことです。
(42) また、わたしを信じるこの小さい者たちのひとりにでもつまずきを与えるような者は、むしろ大きい石臼を首にゆわえつけられて、海に投げ込まれたほうがましです。
(43) もし、あなたの手があなたのつまずきとなるなら、それを切り捨てなさい。片手でいのちに入るほうが、両手そろっていてゲヘナの消えぬ火の中に落ち込むよりは、あなたにとってよいことです。
(45) もし、あなたの足があなたのつまずきとなるなら、それを切り捨てなさい。片足でいのちに入るほうが、両足そろっていてゲヘナに投げ入れられるよりは、あなたにとってよいことです。
(47) もし、あなたの目があなたのつまずきを引き起こすのなら、それをえぐり出しなさい。片目で神の国に入るほうが、両目そろっていてゲヘナに投げ入れられるよりは、あなたにとってよいことです。
(48) そこでは、彼らを食ううじは、尽きることがなく、火は消えることがありません。
(49) すべては、火によって、塩けをつけられるのです。
(50) 塩は、ききめのあるものです。しかし、もし塩に塩けがなくなったら、何によって塩けを取り戻せましょう。あなたがたは、自分自身のうちに塩けを保ちなさい。そして、互いに和合して暮らしなさい。」
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5日目
(1) イエスは、そこを立って、ユダヤ地方とヨルダンの向こうに行かれた。すると、群集がまたみもとに集まって来たので、またいつものように彼らを教えられた。
(2) すると、パリサイ人たちがみもとにやって来て、夫が妻を離別することは許されるかどうかと質問した。イエスをためそうとしたのである。
(3) イエスは答えて言われた。「モーセはあなたがたに、何と命じていますか。」
(4) 彼らは言った。「モーセは、離婚状を書いて妻を離別することを許しました。」
(5) イエスは言われた。「モーセは、あなたがたの心がかたくななので、この命令をあなたがたに書いたのです。
(6) しかし、創造の初めから、神は、人を男と女に造られたのです。
(7) それゆえ、人はその父と母を離れ、
(8) ふたりは一体となるのです。それで、もはやふたりではなく、ひとりなのです。
(9) こういうわけで、人は、神が結び合わせたものを引き離してはなりません。」
(10) 家に戻った弟子たちが、この問題についてイエスに尋ねた。
(11) そこで、イエスは彼らに言われた。「だれでも、妻を離別して別の女を妻にするなら、前の妻に対して姦淫を犯すのです。
(12) 妻も、夫を離別して別の男にとつぐなら、姦淫を犯しているのです。」
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6日目
(13) さて、イエスにさわっていただこうとして、人々が子どもたちを、みもとに連れて来た。ところが、弟子たちは彼らをしかった。
(14) イエスはそれをご覧になり、憤って、彼らに言われた。「子どもたちを、わたしのところに来させなさい。止めてはいけません。神の国は、このような者たちのものです。
(15) まことに、あなたがたに告げます。子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決してそこに、入ることはできません。」
(16) そしてイエスは子どもたちを抱き、彼らの上に手を置いて祝福された。
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7日目
(17) イエスが道に出て行かれると、ひとりの人が走り寄って、御前にひざまずいて、尋ねた。「尊い先生。永遠のいのちを自分のものとして受けるためには、私は何をしたらよいでしょうか。」
(18) イエスは彼に言われた。「なぜ、わたしを『尊い』と言うのですか。尊い方は、神おひとりのほかには、だれもありません。
(19) 戒めはあなたもよく知っているはずです。『殺してはならない。偽証を立ててはならない。欺き取ってはならない。父と母を敬え。』」
(20) すると、その人はイエスに言った。「先生。私はそのようなことをみな、小さい時から守っております。」
(21) イエスは彼を見つめ、その人をいつくしんで言われた。「あなたには、欠けたことが一つあります。帰って、あなたの持ち物をみな売り払い、貧しい人たちに与えなさい。そうすれば、あなたは天に宝を積むことになります。そのうえで、わたしについて来なさい。」
(22) すると彼は、このことばに顔を曇らせ、悲しみながら立ち去った。なぜなら、この人は多くの財産を持っていたからである。
(23) イエスは、見回して、弟子たちに言われた。「裕福な者が神の国に入ることは、何とむずかしいことでしょう。」
(24) 弟子たちは、イエスのことばに驚いた。しかし、イエスは重ねて、彼らに答えて言われた。「子たちよ。神の国に入ることは、何とむずかしいことでしょう。
(25) 金持ちが神の国に入るよりは、らくだが針の穴を通るほうがもっとやさしい。」
(26) 弟子たちは、ますます驚いて互いに言った。「それでは、だれが救われることができるのだろうか。」
(27) イエスは、彼らをじっと見て言われた。「それは人にはできないことですが、神は、そうではありません。どんなことでも、神にはできるのです。」
(28) ペテロガイエスにこう言い始めた。「ご覧ください。私たちは、何もかも捨てて、あなたに従ってまいりました。」
(29) イエスは言われた。「まことに、あなたがたに告げます。わたしのために、また福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子、畑を捨てた者で、
(30) その百倍を受けない者はありません。今のこの時代には、家、兄弟、姉妹、母、子、畑を迫害の中で受け、後の世では永遠のいのちを受けます。
(31) しかし、先の者があとになり、後の者が先になることが多いのです。」
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8日目
(32) さて、一行は、エルサレムに上る途中であった。イエスは先頭に立って歩いて行かれた。弟子たちは驚き、また、あとについて行く者たちは恐れを覚えた。すると、イエスは再び十二弟子をそばに呼んで、ご自分に起ころうとしていることを、話し始められた。
(33) 「さあ、これから、わたしたちはエルサレムに向かって行きます。人の子は、祭司長、律法学者、たちに引き渡されるのです。彼らは、人の子を死刑に定め、そして、異邦人に引き渡します。
(34) すると彼らはあざけり、つばきをかけ、むち打ち、ついに殺します。しかし、人の子は三日の後に、よみがえります。」
(35) さて、ゼベダイのふたりの子、ヤコブとヨハネが、イエスのところに来て言った。「先生。私たちの頼み事をかなえていただきたいと思います。」
(36) イエスは彼らに言われた。「何をしてほしいのですか。」
(37) 彼らは言った。「あなたの栄光の座で、ひとりを先生の右に、ひとりを左にすわらせてください。」
(38) しかし、イエスは彼らに言われた。「あなたがたは自分が何を求めているのか、わかっていないのです。あなたがたは、わたしの飲もうとする杯を飲み、わたしの受けようとするバプテスマを受けることができますか。」
(39) 彼らは、「できます」と言った。イエスは言われた。「なるほどあなたがたは、わたしの飲む杯を飲み、わたしの受けるべきバプテスマを受けはします。
(40) しかし、わたしの右と左にすわることは、わたしが許すことではありません。それに備えられた人々があるのです。」
(41) 十人の者がこのことを聞くと、ヤコブとヨハネのことで腹を立てた。
(42) そこで、イエスは彼らを呼び寄せて、言われた。「あなたがたも知っているとおり、異邦人の支配者と認められた者たちは彼らを支配し、また、偉い人たちは彼らの上に権力をふるいます。
(43) しかし、あなたがたの間では、そうではありません。あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。
(44) あなたがたの間でひとの先に立ちたいと思う者は、みなのしもべになりなさい。
(45) 人の子が来たのも、仕えられるためではなく、かえって仕えるためであり、また、多くの人たちのための、贖いの代価として、自分のいのちを与えるためなのです。
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9日目
(46) 彼らはエリコに来た。イエスが、弟子たちや多くの群集といっしょにエリコを出られると、テマイの子バルテマイという盲人の物ごいが、道ばたにすわっていた。
(47) ところが、ナザレのイエスだと聞くと、「ダビデの子のイエスさま。私をあわれんでください」と叫び始めた。
(48) そこで、彼を黙らせようと、大ぜいでたしなめたが、彼はますます、「ダビデの子よ。私をあわれんでください」と叫び立てた。
(49) すると、イエスは立ち止まって、「あの人を呼んで来なさい」と言われた。そこで、彼らはその盲人を呼び、「心配しないでよい。さあ、立ちなさい。あなたをお呼びになっている」と言った。
(50) すると、盲人は上着を脱ぎ捨て、すぐに立ち上がって、イエスのところに来た。
(51) そこでイエスは、さらにこう言われた。「わたしに何をしてほしいのか。」すると、盲人は言った。「先生。目が見えるようになることです。」
(52) するとイエスは、彼に言われた。「さあ、行きなさい。あなたの信仰があなたを救ったのです。」すると、すぐさま彼は見えるようになり、イエスの行かれる所について行った。
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10日目
(1) さて、彼らがエルサレム近くに来て、オリーブ山のふもとのベテパゲとベタニヤに近づいたとき、イエスはふたりの弟子を使いに出して、
(2) 言われた。「向こうの村へ行きなさい。村に入るとすぐ、まだだれも乗ったことのない、ろばの子が、つないであるのに気がつくでしょう。それをほどいて、引いて来なさい。
(3) もし、『なぜそんなことをするのか』と言う人があったら、『主がお入用なのです。すぐに、またここに送り返されます』と言いなさい。」
(4) そこで、出かけて見てみると、表通りにある家の戸口にろばの子が一匹つないであったので、それをほどいた。
(5) すると、そこに立っていた何人かが言った。「ろばの子をほどいたりして、どうするのですか。」
(6) 弟子たちが、イエスの言われたとおりを話すと、彼らは許してくれた。
(7) そこで、ろばの子をイエスのところへ引いて行って、自分たちの上着をその上に掛けた。イエスはそれに乗られた。
(8) すると、多くの人が自分たちの上着を道に敷き、またほかの人々は、木の葉を枝ごと野原から切って来て、道に敷いた。
(9) そして、前を行く者も、あとに従う者も、叫んでいた。「ホサナ。祝福あれ。主の御名によって来られた方に。
(10) 祝福あれ。いま来た、われらの父ダビデの国に。ホサナ。いと高き所に。」
(11) こうして、イエスはエルサレムに着き、宮に入られた。そして、すべてを見て回った後、時間ももうおそかったので、十二弟子といっしょにベタニヤに出て行かれた。
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11日目
(12) 翌日、彼らがベタニヤを出たとき、イエスは空腹を覚えられた。
(13) 葉の茂ったいちじくの木が遠くに見えたので、それに何かありはしないかと見に行かれたが、そこに来ると、葉の他には何もないのに気づかれた。いちじくのなる季節ではなかったからである。
(14) イエスは、その木に向かって言われた。「今後、いつまでも、だれもおまえの実を食べることのないように。」弟子たちはこれを聞いていた。
(20) 朝早く、通りがかりに見ると、いちじくの木が根まで枯れていた。
(21) ペテロは思い出して、イエスに言った。「先生。ご覧なさい。あなたののろわれたいちじくの木が枯れました。」
(22) イエスは答えて言われた。「神を信じなさい。
(23) まことに、あなたがたに告げます。だれでも、この山に向かって、『動いて、海に入れ』と言って、心の中で疑わず、ただ、自分の言ったとおりになると信じるなら、そのとおりになります。
(24) だからあなたがたに言うのです。祈って求めるものは何でも、すでに受けたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになります。
(25) また立って祈っているとき、だれかに対して恨み事があったら、赦してやりなさい。そうすれば、天におられるあなたがたの父も、あなたがたの罪を赦してくださいます。」
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12日目
(15) それから、彼らはエルサレムに着いた。イエスは宮に入り、宮の中で売り買いしている人々を追い出し始め、両替人の台や、鳩を売る者たちの腰掛けを倒し、
(16) また、宮を通り抜けて器具を運ぶことをだれにもお許しにならなかった。
(17) そして、彼らに教えて言われた。「『わたしの家は、すべての民の祈りの家と呼ばれる』と書いてあるではありませんか。それなのに、あなたがたはそれを強盗の巣にしたのです。」
(18) 祭司長、律法学者たちは聞いて、どのようにしてイエスを殺そうかと相談した。イエスを恐れたからである。なぜなら、群集がみなイエスの教えに驚嘆していたからである。
(19) 夕方になると、イエスとその弟子たちは、いつも都から外に出た。
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13日目
(27) 彼らはまたエルサレムに来た。イエスが宮の中を歩いておられると、祭司長、律法学者、長老たちが、イエスのところにやって来た。
(28) そして、イエスに言った。「何の権威によって、これらのことをしておられるのですか。だれが、あなたにこれらのことをする権威を授けたのですか。」
(29) そこでイエスは彼らに言われた。「一言尋ねますから、それに答えなさい。そうすれば、わたしも、何の権威によってこれらのことをしているかを、話しましょう。
(30) ヨハネのバプテスマは、天から来たのです、人から出たのですか。答えなさい。」
(31) すると、彼らは、こう言いながら、互いに論じ合った。「もし、天から、と言えば、それならなぜ、彼を信じなかったかと言うだろう。
(32) だからといって、人から、と言って良いだろうか。」—彼らは群集を恐れていたのである。というのは、人々がみな、ヨハネは確かに預言者だと思っていたからである。
(33) そこで彼らは、イエスに答えて、「わかりません」と言った。そこでイエスは彼らに、「わたしも何の権威によってこれらのことをするのか、あなたがたに話すまい。」と言われた。
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14日目
(1) それからイエスは、たとえを用いて彼らに話し始められた。「ある人がぶどう園を作って、垣を巡らし、酒ぶねを掘り、やぐらを建て、それを農夫たちに貸して、旅に出かけた。
(2) 季節になると、ぶどう園の収穫の分けまえを受け取りに、しもべを農夫たちのところへ遣わした。
(3) ところが、彼らは、そのしもべをつかまえて袋だたきにし、何も持たせないで送り返した。
(4) そこで、もう一度別のしもべを遣わしたが、彼らは、頭をなぐり、はずかしめた。
(5) また別のしもべを遣わしたところが、彼らは、これも殺してしまった。続いて、多くのしもべをやったけれども、彼らは袋だたきにしたり、殺したりした。
(6) その人には、なおもうひとりの者がいた。それは愛する息子であった。彼は『私の息子なら、敬ってくれるだろう』と言って、最後にその息子を遣わした。
(7) すると、その農夫たちはこう話し合った。『あれはあと取りだ。さあ、あれを殺そうではないか。そうすれば、財産はこちらのものだ。』
(8) そして、彼をつかまえて殺してしまい。ぶどう園の外に投げ捨てた。
(9) ところで、ぶどう園の主人は、どうするでしょう。彼は戻って来て、農夫どもを打ち滅ぼし、ぶどう園を他の人たちに与えてしまいます。
(10) あなたがたは、次の聖書のことばを読んだことがないのですか。『家を建てる者たちの見捨てた石、それが礎となった。
(11) これは主のなさったことだ。私たちの目には、不思議なことでもある。』」
(12) 彼らは、このたとえ話が、自分たちをさして語られたことに気づいたので、イエスを捕らえようとしたが、やはり群集を恐れた。それで、イエスを残して立ち去った。
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15日目
(13) さて、彼らは、イエスに何か言わせて、わなに陥れようとして、パリサイ人とヘロデ党の者数人をイエスのところへ送った。
(14) 彼らはイエスのところに来て、言った。「先生。私たちは、あなたが真実な方で、だれをもはばからない方だと存じています。あなたは人の顔色を見ず、真理に基づいて神の道を教えておられるからです。ところで、カイザルに税金を納めることは律法にかなっていることでしょうか。収めるべきでしょうか。収めるべきでないのでしょうか。」
(15) イエスは彼らの偽装を見抜いて言われた。「なぜ、わたしをためすのか。デナリ銀貨を持って来て見せなさい。」
(16) 彼らは持って来た。そこでイエスは彼らに言われた。「これはだれの肖像ですか。だれの銘ですか。」彼らは、「カイザルのです」と言った。
(17) するとイエスは言われた。「カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神にかえしなさい。」彼らはイエスに驚嘆した。
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16日目
(18) また、復活はないと主張していたサドカイ人たちが、イエスのところに来て、質問した。
(19) 「先生。モーセは私たちのためにこう書いています。『もし、兄が死んで妻をあとに残し、しかも子がない場合には、その弟はその女を妻にして、兄のための子をもうけなければならない。』
(20) さて、七人の兄弟がいました。長男が妻をめとりましたが、子を残さないで死にました。
(21) そこで次男がその女を妻にしたところ、やはり子を残さないで死にました。
(22) こうして、七人とも子を残しませんでした。
(23) 復活の際、彼らがよみがえるとき、その女はだれの妻なのでしょうか。七人ともその女を妻にしたのですが。」
(24) イエスは彼らに言われた。「そんな思い違いをしているのは、聖書も神の力も知らないからではありませんか。
(25) 人が死人の中からよみがえるときには、めとることも。とつぐこともなく、天の御使いたちのようです。
(26) それに、死人がよみがえることについては、モーセの書にある柴の個所で、神がモーセにどう語られたか、あなたがたは読んだことがないのですか。『わたしは、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である』とあります。
(27) 神は死んだ者の神ではありません。生きている者の神です。
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17日目
(28) 律法学者がひとり来て、その議論を聞いていたが、イエスがみごとに答えられたのを知って、イエスに尋ねた。「すべての命令の中で、どれが一番たいせつですか。」
(29) イエスは答えられた。「一番たいせつなのはこれです。『イスラエルよ。聞け。われらの神である主は、唯一の主である。
(30) 心を尽くし、思いを尽くし、知性を尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』
(31) 次にはこれです。『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。』この二つより大事な命令は、ほかにはありません。」
(32) そこで、この律法学者は、イエスに言った。「先生。そのとおりです。『主は唯一であって、そのほかに、主はない』と言われたのは、まさにそのとおりです。
(33) また、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして、主を愛し、また隣人をあなた自身のように愛する』ことは、どんな全焼のいけにえや供え物よりも、ずっとすぐれています。」
(34) イエスは、彼が賢い返事をしたのを見て、言われた。「あなたは神の国から遠くない。」それから後は、だれもイエスにあえて尋ねる者がなかった。
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18日目
(35) イエスが宮で教えておられたとき、こう言われた。「律法学者たちは、どうしてキリストをダビデの子と言うのですか。
(36) ダビデ自身、聖霊によって、こう言っています。『主は私に言われた。「わたしがあなたの敵をあなたの足の下に従わせるまでは、わたしの右の座に着いていなさい。」』
(37) ダビデ自身がキリストを主と呼んでいるのに、どういうわけでキリストがダビデの子なのでしょう。」大ぜいの群集は、イエスの言われることを喜んで聞いていた。
(38) イエスはその教えの中でこう言われた。「律法学者たちには気をつけなさい。彼らは、長い衣をまとって歩き回ったり、広場であいさつされたりすることが大好きで、
(39) また、会堂の上席や、宴会の上席が大好きです。
(40) また、やもめの家を食いつぶし、見えを飾るために長い祈りをします。こういう人たちは人一倍きびしい罰を受けるのです。」
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19日目
(41) それから、イエスは献金箱に向かってすわり、人々が献金箱へ金を投げ入れる様子を見ておられた。多くの金持ちが大金を投げ入れていた。
(42) そこへひとりの貧しいやもめが来て、レプタ銅貨を二つ投げ入れた。それは一コドラントに当たる。
(43) すると、イエスは弟子たちを呼び寄せて、こう言われた。「まことに、あなたがたに告げます。この貧しいやもめは、献金箱に投げ入れていたどの人よりもたくさん投げ入れました。
(44) みなは、あり余る中から投げ入れたのに、この女は、乏しい中から、あるだけを全部、生活費の全部を投げ入れたからです。」
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20日目
(1) イエスが、宮から出て行かれるとき、弟子のひとりがイエスに言った。「先生。これはまあ、何とみごとな石でしょう。何とすばらしい建物でしょう。」
(2) すると、イエスは彼に言われた。「この大きな建物を見ているのですか。石がくずされずに、積まれたまま残ることは決してありません。」
(3) イエスがオリーブ山で宮に向かってすわっておられると、ペテロ、ヤコブ、ヨハネ、アンデレが、ひそかにイエスに質問した。
(4) 「お話しください。いつ、そういうことが起こるのでしょう。また、それがみな実現するようなときには、どんな前兆があるのでしょう。」
(5) そこで、イエスは彼らに話し始められた。「人に惑わされないように気をつけなさい。
(6) わたしの名を名のる者が大ぜい現れ、『私こそそれだ』と言って、多くの人を惑わすでしょう。
(7) また、戦争のことや戦争のうわさを聞いても、あわててはいけません。それは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。
(8) 民族は民族に、国は国に対して立ち上がり、方々に地震があり、ききんも起こるはずだからです。これらのことは、産みの苦しみの初めです。
(9) だが、あなたがたは、気をつけていなさい。人々は、あなたがたを議会に引き渡し、また、あなたがたは会堂でむち打たれ、また、わたしのゆえに、総督や王たちの前に立たされます。それは彼らに対してあかしをするためです。
(10) こうして、福音がまずあらゆる民族に宣べ伝えられなければなりません。
(11) 彼らは捕らえられ、引き渡されたとき、何と言おうかなどと案じるには及びません。ただ、そのとき自分に示されることを、話なさい。話すのはあなたがたではなく、聖霊です。
(12) また兄弟は兄弟を死に渡し、父は子を死に渡し、子は両親に逆らって立ち、彼らを死に至らせます。
(13) また、わたしの名のために、あなたがたはみなの者に憎まれます。しかし、最後まで耐え忍ぶ人は救われます。
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21日目
(14) 『荒らす憎むべきもの』が、自分の立ってはならない所に立っているのを見たならば(読者はよく読みとるように。)ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。
(15) 屋上にいる者は降りてはいけません。家から何かを取り出そうとして中に入ってはいけません。
(16) 畑にいる者は着物を取りに戻ってはいけません。
(17) だがその日、哀れなのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。
(18) ただ、このことが冬に起こらないように祈りなさい。
(19) その日は、神が天地を創造された初めから、今に至るまで、いまだかつてなかったような、またこれからもないような苦難の日だからです。
(20) そして、もし主がその日数を少なくしてくださらないなら、ひとりとして救われる者はいないでしょう。しかし、主は、ご自分で選んだ選びの民のために、その日数を少なくしてくださったのです。
(21) そのとき、あなたがたに、『そら、キリストがここにいる』とか、『ほら、あそこにいる』とか言う者があっても、信じてはいけません。
(22) にせきリスト、にせ預言者たちが現れて、できれば選民を惑わそうとして、しるしや不思議なことをして見せます。
(23) だから、気をつけていなさい。わたしは、何もかも前もって話しました。
(24) だが、その日には、その苦難に続いて、太陽は暗くなり、月はひかりを放たず。
(25) 星は天から落ち、天の万象は揺り動かされます。
(26) そのとき、人々は、人の子が偉大な力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを見るのです。
(27) そのとき、人の子は、御使いたちを送り、地の果てから天の果てまで、四方からその選びの民を集められます。
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22日目
(28) いちじくの木から、たとえを学びなさい。枝が柔らかくなって、葉が出て来ると、夏の近いことがわかります。
(29) そのように、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口まで近づいていると知りなさい。
(30) まことに、あなたがたに告げます。これらのことが全部起こってしまうまでは、この時代は過ぎ去りません。
(31) この天地は滅びます。」しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。
(32) ただし、その日、その時がいつであるかは、だれも知りません。天の御使いたちも子も知りません。ただ父だけが知っておられます・
(33) 気をつけなさい。「目をさまし、注意していなさいその定めの時がいつだか、あなたがたは知らないからです。
(34) それから丁度、旅に立つ人が、出がけに、しもべたちにそれぞれ仕事を割り当てて責任を持たせ、門番には目を覚ましていように言いつけることを守るよな
(35) だから、目をさましていなさい。家の主人がいつかえって来るが夕方か、夜中か、鶏の鳴くころか、明け方か、わからないのです。
(36) 主人が不意に帰って来たとき眠っているのを見られないようにしなさい。
(37) わたちがあなたに話していることは。すべての人に言っているのです。目をさましていなさい。』
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23日目
(1) さて、過越の祭りと種なしパンの祝いが二日後に迫っていたので、祭司長、律法学者たちは、どうしたらイエスをだまして捕らえ、殺すことができるだろうか、とめんめいであった。
(2) 彼らは、「祭りの間はいけない。民衆の騒ぎが起こるといけないから」と話していた。
(3) イエスがベタニヤで、ツァラアトに冒された人シモンの家におられたとき、食卓についておられると、ひとりの女が、純粋で、非常に高価なナルド油の入った石膏のつぼを持って来て、そのつぼを割り、イエスの頭に注いだ。
(4) すると、何人かの者が憤慨して互いに言った。「何のために、香油をこんなにむだにしたのか。
(5) この香油なら、三百デナリ以上に売れて、貧しい人たちに施しができたのに。」そうして、その女をきびしく責めた。
(6) すると、イエスは言われた。「そのままにしておきなさい。なぜこの人を困らせるのですか。わたしのために、りっぱなことをしてくれたのです。
(7) 貧しい人たちは、いつもあなたがたといっしょにいます。それで、あなたがたがしたいときは、いつでも彼らに良いことをしてやれます。しかし、わたしは、いつもあなたがたといっしょにいるわけではありません。
(8) この女は、自分にできることをしたのです。埋葬の用意にと、わたしのからだに、前もって油を塗ってくれたのです。
(9) まことに、あなたがたに告げます。世界中のどこででも、福音が宣べ伝えられる所なら、この人のした事も語られて、この人の記念となるでしょう。」
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24日目
(10) ところで、イスカリオテ・ユダは、十二弟子のひとりであるが、イエスを売ろうとして祭司長たちのところへ出向いて行った。
(11) 彼らはこれを聞いて喜んで、金をやろうと約束した。そこでユダは、どうしたら、うまいぐあいにイエスを引き渡せるかと、ねらっていた。
(12) 種なしパンの祝いの第一日、すなわち、過越の子羊をほふる日に、弟子たちはイエスに言った。「過越の食事をなさるのに、私たちは、どこへ行って用意をしましょうか。」
(13) そこで、イエスは、弟子のうちふたりを送って、こう言われた。「都に入りなさい。そうすれば、水がめを運んでいる男に会うから、その人について行きなさい。
(14) そして、その人が入って行く家の主人に、『弟子たちといっしょに過越の食事をする、わたしの客間はどこか、と先生が言っておられる』と言いなさい。
(15) するとその主人が自分で、席が整って用意のできた二階の広間を見せてくれます。そこでわたしたちのために用意をしなさい。」
(16) 弟子たちが出かけて行って、都に入ると、まさしくイエスの言われたとおりであった。それで、彼らはそこで過越の食事の用意をした。
(17) 夕方になって、イエスは十二弟子といっしょにそこに来られた。
(18) そして、みんが席について、食事をしているとき、イエスは言われた。「まことにあなたがたに告げます。あなたがたのうちのひとりで、わたしといっしょに食事をしている者が、わたしを裏切ります。」
(19) 弟子たちは悲しくなって、「まさか私ではないでしょう」とかわるがわるイエスに言いだした。
(20) イエスは言われた。「この十二人の中のひとりで、わたしといっしょに鉢に浸している者です。
(21) 確かに、人の子は、自分について書いてあるとおりに、去って行きます。しかし、人の子を裏切るような人間はわざわいです。そういう人は生まれなかったほうがよかったのです。」
(22) それから、みなが食事をしているとき、イエスはパンを取り、祝福して後、これを裂き、彼らに与えて言われた。「取りなさい。これはわたしのからだです。」
(23) また、杯を取り、感謝をささげて後、彼らに与えられた。彼らはみなその杯から飲んだ。
(24) イエスは彼らに言われた。「これはわたしの契約の血です。多くの人のために流されるものです。
(25) まことに、あなたがたに告げます。神の国で新しく飲むその日まで、わたしはもはや、ぶどうの実で造った物を飲むことはありません。」
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25日目
(26) そして、賛美の歌を歌ってから、みなでオリーブ山へ出かけて行った。
(27) イエスは、弟子たちに言われた。「あなたがたはみな、つまずきます。『わたしが羊飼いを打つ。すると、羊は散り散りになる』と書いてありますから。
(28) しかしわたしは、よみがえってから、あなたがたより先に、ガリラヤへ行きます。
(29) すると、ペテロがイエスに言った。「たとい全部の者がつまづいても、私はつまづきません。」
(30) イエスは彼に言われた。「まことにあなたがたに告げます。あなたは、きょう、今夜、鶏が二度鳴く前に、わたしを知らないと三度言います。」
(31) ペテロは力を込めて言い張った。「たとい、ごいっしょに死ななければならないとしても、私は、あなたを知らないなどとは決して申しません。」みなの者もそう言った。
(32) ゲツセマネという所に来て、イエスは弟子たちに言われた。「わたしが祈る間、ここにすわっていなさい。」
(33) そして、ペテロ、ヤコブ、ヨハネをいっしょに連れて行かれた。イエスは深く恐れもだえ始められた。
(34) そして彼らに言われた。「わたしは悲しみのあまり死ぬほどです。ここを離れないで、目をさましていなさい。」
(35) それから、イエスは少し進んで行って、地面にひれ伏し、もしできることなら、この時が自分から過ぎ去るようにと祈り、
(36) またこう言われた。「アバ、父よ。あなたにおできにならないことはありません。どうぞ、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願うことではなく、あなたのみこころのままを、なさってください。」
(37) それから、イエスは戻って来て、彼らの眠っているのを見つけ、ペテロに言われた。「シモン。眠っているのか。一時間でも目を覚ましていることができなかったのか。
(38) 誘惑に陥らないように、目をさまして、祈り続けなさい。心は燃えていても、肉体は弱いのです。」
(39) イエスは再び離れて行き、前と同じことばで祈られた。
(40) そして、また戻って来て、ご覧になると、彼らは眠っていた。ひどく眠けがさしていたのである。彼らは、イエスにどう言ってよいか、わからなかった。
(41) イエスは三度目に来て、彼らに言われた。「まだ眠って休んでいるのですか。もう十分です。時が来ました。見なさい。人の子は罪人たちの手に渡されます。
(42) 立ちなさい。さあ、行くのです。見なさい。わたしを裏切る者が近づきました。」
(43) そしてすぐ、イエスがまだ話しておられるうちに、十二弟子のひとりのユダが現れた。剣や棒を手にした群集もいっしょであった。群衆はみな、祭司長、律法学者、長老たちから差し向けられたものであった。
(44) イエスを裏切る者は、彼らと前もって次のような合図を決めておいた。「私が口づけをするのが、その人だ。その人をつかまえて、しっかりと引いて行くのだ。
(45) それで、彼はやって来るとすぐに、イエスに近寄って、「先生」と言って、口づけした。
(46) すると人々は、イエスを手にかけて捕らえた。
(47) そのとき、イエスのそばに立っていたひとりが、剣を抜いて大祭司のしもべに撃ちかかり、その耳を切り落とした。
(48) イエスは彼らに向かって言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持ってわたしを捕らえに来たのですか。
(49) わたしは毎日、宮であなたがたといっしょにいて、教えていたのに、あなたがたは、わたしを捕らえなかったのです。しかし、こうなったのは聖書のことばが実現するためです。」
(50) すると、みながイエスを見捨てて、逃げてしまった。
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26日目
(51) ある青年が、素はだに亜麻布を一枚まとったままで、イエスについて行ったところ、人々は彼を捕らえようとした。
(52) すると、彼は亜麻布を脱ぎ捨てて、はだかで逃げた。
(53) 彼らがイエスを大祭司のところに連れて行くと、祭司長、長老、律法学者たちがみな、集まってきた。
(54) ペテロは、遠くからイエスのあとをつけながら、大祭司の庭の中まで入って行った。そして、役人たちといっしょにすわって、火にあたっていた。
(55) さて、祭司長たちと全議会は、イエスを死刑にするために、イエスを訴える証拠をつかもうと努めたが、何も見つからなかった。
(56) イエスに対する偽証をした者は多かったが、一致しなかったのである。
(57) すると、数人が立ち上がって、イエスに対する偽証をして、次のように言った。
(58) 「私たちは、この人が『わたしの手で造られたこの神殿をこわして、三日のうちに、手で造られない別の神殿を造ってみせる』と言うのを聞きました。」
(59) しかし、この点でも証言は一致しなかった。
(60) そこで大祭司が立ち上がり、真ん中に進み出てイエスに尋ねて言った。「何も答えないのですか。この人たちが、あなたに不利な証言をしていますが、これはどうなのですか。」
(61) しかし、イエスは黙ったままで、何もお答えにならなかった。大祭司は、さらにイエスに尋ねて言った。「あなたは、ほむべき方の子、キリストですか。」
(62) そこでイエスは言われた。「わたしは、それです。人の子が、力ある方の右の座に着き、天の雲に乗って来るのを、あなたがたは見るはずです。」
(63) すると、大祭司は、自分の衣を引き裂いて言った。「これでもまだ、証人が必要でしょうか。
(64) あなたがたは、神をけがすこのことばを聞いたのです。どう考えますか。」すると、彼らは全員で、イエスには死刑に当たる罪があると決めた。
(65) そうして、ある人々は、イエスにつばきをかけ、御顔をおおい、こぶしでなぐりつけ、「言い当ててみろ」などと言ったりし始めた。また、役人たちは、イエスを受け取って、平手で打った。
(66) ペテロが下の庭にいると、大祭司の女中のひとりが来て、
(67) ペテロが火にあたっているのを見かけ、彼をじっと見つめて、言った。「あなたも、あのナザレ人、あのイエスといっしょにいましたね。」
(68) しかし、ペテロはそれを打ち消して、「何を言っているのか、わからない。見当もつかない」と言って、出口のほうへと出て行った。
(69) すると女中は、ペテロを見て、そばに立っていた人たちに、また、「この人はあの仲間です」と言いだした。
(70) しかし、ペテロは再び打ち消した。しばらくすると、そばに立っていたその人たちが、またペテロに言った。「確かに、あなたはあの仲間だ。ガリラヤ人なのだから。」
(71) しかし、彼はのろいをかけて誓い始め、「私は、あなたがたの話しているその人を知りません。」と言った。
(72) するとすぐに、鶏が、二度目に鳴いた。そこでペテロは、「鶏が二度鳴く前に、あなたは、わたしを知らないと三度言います。」というイエスのおことばを思い出した。それに思い当たったとき、彼は泣き出した。
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27日目
(1) 夜が明けるとすぐに、祭司長たちをはじめ、長老、律法学者たちと、全議会とは協議をこらしたすえ、イエスを縛って連れ出し、ピラトに引き渡した。
(2) ピラトはイエスに尋ねた。「あなたは、ユダヤ人の王ですか。」イエスは答えて言われた。「そのとおりです。」
(3) そこで、祭司長たちはイエスをきびしく訴えた。
(4) ピラトはもう一度イエスに尋ねて言った。「何も答えないのですか。見なさい。彼らはあんなにまであなたを訴えているのです。」
(5) それでも、イエスは何もお答えにならなかった。それにはピラトも驚いた。
(6) ところでピラトは、その祭りには、人々の願う囚人をひとりだけ赦免するのを例としていた。
(7) たまたま、バラバという者がいて、暴動のとき人殺しをした暴徒たちといっしょに牢に入っていた。
(8) それで、群集は進んで行って、いつものようにしてもらうことを、ピラトに要求し始めた。
(9) そこでピラトは、彼らに答えて、「このユダヤ人の王を釈放してくれというのか」と言った。
(10) ピラトは、祭司長たちが、ねたみからイエスを引き渡したことに、気づいていたからである。
(11) しかし、祭司長たちは群集を扇動して、むしろバラバを釈放してもらいたいと言わせた。
(12) そこで、ピラトはもう一度答えて、「ではいったい、あなたがたがユダヤ人の王と呼んでいるあの人を、私にどうせよというのか」と言った。
(13) すると彼らはまたも「十字架につけろ」と叫んだ。
(14) だが、ピラトは彼らに、「あの人がどんな悪い事をしたというのか」と言った。しかし、彼らはますます激しく「十字架につけろ」と叫んだ。
(15) それで、ピラトは群集のきげんをとろうと思い、バラバを釈放した。そして、イエスをむち打って後、十字架につけるようにと引き渡した。
(16) 兵士たちはイエスを、邸宅、すなわち総督官邸の中に連れて行き、全部隊を呼び集めた。
(17) そしてイエスに紫の衣を着せ、いばらの冠を編んでかぶらせ、
(18) それから、「ユダヤ人の王さま。ばんざい」と叫んであいさつをし始めた。
(19) また、葦の棒でイエスの頭をたたいたり、つばきをかけたり、ひざまずいて拝んだりしていた。
(20) 彼らはイエスを嘲弄したあげく、その紫の衣を脱がせて、もとの着物をイエスに着せた。それから、イエスを十字架につけるために連れ出した。
(21) そこへ、アレキサンデルとルポスとの父で、シモンというクレネ人が、いなかから出て来て通りかかったので、彼らはイエスの十字架を、むりやりに彼に背負わせた。
(22) そして、彼らはイエスをゴルゴタの場所(訳すと、「どくろ」の場所)へ連れて行った。
(23) そして彼らは、没薬を混ぜたぶどう酒をイエスに与えようとしたが、イエスはお飲みにならなかった。
(24) それから、彼らは、イエスを十字架につけた。そして、だれが何を取るかをくじ引きで決めたうえで、イエスの着物を分けた。
(25) 彼らがイエスを十字架につけたのは、午前九時であった。
(26) イエスの罪状書きには、「ユダヤ人の王」と書いてあった。
(27) また彼らは、イエスとともにふたりの強盗を、ひとりは右に、ひとりは左に、十字架につけた。
(28) (異本)「こうして『この人は罪人とともに数えられた』とある聖書が実現したのである」
(29) 道を行く人々は、頭を振りながらイエスをののしって言った。「おお、神殿を打ちこわして三日で建てる人よ。
(30) 十字架から降りて来て、自分を救ってみろ。」
(31) また、祭司長たちも同じように、律法学者たちといっしょになって、イエスをあざけって言った。「他人は救ったが、自分は救えない。
(32) キリスト、イスラエルの王さま。今、十字架から降りてもらおうか。われわれは、それを見たら信じるから。」また、イエスといっしょに十字架につけられた者たちもイエスをののしった。
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28日目
(33) さて、十二時になったとき、全地が暗くなって、午後三時まで続いた。
(34) そして、三時に、イエスは大声で、「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ」と叫ばれた。それは訳すと「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。
(35) そばに立っていた幾人かが、これを聞いて、「そら、エリヤを呼んでいる」と言った。
(36) すると、ひとりが走って行って、海綿に酸いぶどう酒を含ませ、それを葦の棒につけて、イエスに飲ませようとしながら言った。「エリヤがやって来て、彼を降ろすかどうか、私たちは見ることにしよう。」
(37) それから、イエスは大声をあげて息を引き取られた。
(38) 神殿の幕が上から下まで真っ二つに裂けた。
(39) イエスの正面に立っていた百人隊長は、イエスがこのように息を引き取られたのを見て、「この方はまことに神の子であった」と言った。
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29日目
(40) また、遠くのほうから見ていた女たちもいた。その中にマグダラのマリヤと、小ヤコブとヨセの母マリヤと、またサロメもいた。
(41) イエスがガリラヤにおられたとき、いつもつき従って仕えていた女たちである。このほかにも、イエスといっしょにエルサレムに上って来た女たちがたくさんいた。
(42) すっかり夕方になった。その日は備えの日、すなわち安息日の前日であったので、
(43) アリマタヤのヨセフは、思い切ってピラトのところに行き、イエスのからだの下げ渡しを願った。ヨセフは有力な議員であり、みずからも神の国を待ち望んでいた人であった。
(44) ピラトは、イエスがもう死んだのかと驚いて、百人隊長を呼び出し、イエスがすでに死んでしまったかどうかを問いただした。
(45) そして、百人隊長からそうと確かめてから、イエスのからだをヨセフに与えた。
(46) そこで、ヨセフは亜麻布を買い、イエスを取り降ろしてその亜麻布に包み、岩を掘って造った墓に納めた。墓の入口には石をころがしかけておいた。
(47) マグダラのマリヤとヨセの母マリヤとは、イエスの納められる所をよく見ていた。
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30日目
(1) さて、安息日が終わったので、マグダラのマリヤとヤコブの母マリヤとサロメとは、イエスに油を塗りに行こうと思い、香料を買った。
(2) そして、週の初めの日の早朝、日が上ったとき、墓についた。
(3) 彼女たちは、「墓の入口からあの石をころがしてくれる人が、だれかいるでしょうか」とみなで話し合っていた。
(4) ところが、目を上げて見ると、あれほど大きな石だったのに、その石がすでにころがしてあった。
(5) それで、墓の中に入ったところ、真っ白な長い衣をまとった青年が右側にすわっているのが見えた。彼女たちは驚いた。
(6) 青年は言った。「驚いてはいけません。あなたがたは、十字架につけられたナザレ人イエスを捜しているのでしょう。あの方はよみがえられました。ここにはおられません。ご覧なさい。ここがあの方の納められた所です。
(7) ですから行って、お弟子たちとペテロに、『イエスは、あなたがたより先にガリラヤへ行かれます。前に言われたとおり、そこでお会いできます』とそう言いなさい。」
(8) 女たちは、墓を出て、そこから逃げ去った。すっかり震え上がって、気も転倒していたからである。そしてだれにも何も言わなかった。恐ろしかったからである。
(9) 〔さて、週の初めの日の朝早くによみがえったイエスは、まずマグダラのマリヤにご自分を現された。イエスは、以前に、この女から七つの悪霊を追い出されたのであった。
(10) マリヤはイエスといっしょにいた人たちが嘆き悲しんで泣いているところに行き、そのことを知らせた。
(11) ところが、彼らは、イエスが生きておられ、お姿をよく見た、と聞いても、それを信じようとはしなかった。
(12) その後、彼らのうちのふたりがいなかのほうへ歩いていたおりに、イエスは別の姿でご自分を現された。
(13) そこでこのふたりも、残りの人たちのところへ行ってこれを知らせたが、彼らはふたりの話も信じなかった。
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31日目
(14) しかしそれから後になって、イエスは、その十一人が食事に着いているところに現れて、彼らの不信仰とかたくなな心をお責めになった。それは、彼らが、よみがえられたイエスを見た人たちの言うところを信じなかったからである。
(15) それから、イエスは彼らにこう言われた。「全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい。
(16) 信じてバプテスマを受ける者は、救われます。しかし、信じない者は罪に定められます。
(17) 信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばを語り、
(18) 蛇をもつかみ、たとい毒を飲んでも決して害を受けず、また、病人に手を置けば病人はいやされます。」
(19) 主イエスは、彼らにこう話されて後、天に上げられて神の右の座に着かれた。
(20) そこで、彼らは出て行って、至る所で福音を宣べ伝えた。主は彼らとともに働き、みことばに伴うしるしをもって、みことばを確かなものとされた。